このところ図書館から借りた西川祐子さん「古都の占領」を読んでいます。これが
ほんとに興味深い(面白い?)のであります。
- 作者: 西川祐子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2017/08/28
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
とを初めて知ったと記しましたが、現在の京都で占領時代の跡を見出すのは大変であ
りましょうから、このように人々の記憶と資料からきちんとした書物として残すこと
の意義はとても大きいといえましょう。
そんなふうに思っておりましたら、今月の「みすず」アンケートでもこの本をあげ
ておられる方がいましたです。それはといえば、山田稔さんであります。
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2018/02/02
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (4件) を見る
のでありまして、どれも山田さんらしい。
ちなみにあげているのは他に「SURE」の本2冊、編集工房ノアの涸澤純平さん「遅れ
時計の詩人」、そしてイーユン・リー「黄金の少年、エメラルドの少女」となりです。
- 作者: 涸沢純平
- 出版社/メーカー: 編集工房ノア
- 発売日: 2017/10/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
- 作者: イーユンリー,Yiyun Li,篠森ゆりこ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/02/08
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (4件) を見る
は、いつもの口調よりも厳しいものとなっています。本の内容について辛口であるの
ではなく、この国の現状についてでありましょうか。最後のくだりだけを引用です。
「サンフランシスコ条約により日本は独立国になったと信じこまされている日本人。
主人の言いつけを守り頭を撫でられているうちに奴隷は自分が奴隷であることを忘れ、
主人と同等の口をききはじめる、今から五十年以上前にこのように書いた富士正晴の
言葉を思い出した。」
どこまでも主人に忠実なその姿勢をみますと、痛々しくも感じることであります。
その昔に頭越しに中国との国交交渉などもありましたが、最近の朝鮮半島の情勢を
見ていても、この国は、なんとなくおいていかれそうな感じでありますね。