本日も昨日に引き続きで、岩波「図書」掲載の「読者が選ぶこの一冊」からであり
ます。これにどのようなものがあがっているかは、岩波書店のホームページを見ると
でているものと思っていましたら、まだ掲載されていないようです。
すこし遠慮しいしい紹介することにしましょう。
昨日は、「読者が選ぶ」岩波文庫リストでしたが、歴史の長い文庫は、どうして
も定番物が上位にくるようです。岩波新書もそれに似た傾向で、最近出たものでは
堤未果さんの「ルポ 貧困大国アメリカ」が10番にあがっていました。
上位五番までというと、斎藤茂吉、丸山真男、加藤周一、梅棹忠夫、池田潔でありま
して、この著者名を掲げましたら、その著書名はおわかりになりますでしょう。
これとくらべたときに面白いのは、岩波現代文庫であります。現代文庫は創刊が
2000年とありますので、歴史は12年ほどで、刊行点数も本家の岩波文庫とは比較にな
りません。
現代文庫のベスト10を、すべて掲載してみましょう。
1 ご冗談でしょう。ファインマンさん
2 白い道 吉村昭
3 現代語訳 論語
4 私にとっての二十世紀 加藤周一
5 中勘助「銀の匙」を読む 十川信介
6 「赤毛のアン」の人生ノート 熊井明子
7 読書術 加藤周一
8 文学部唯野教授 筒井康隆
9 獄中記 佐藤優
10 高木仁三郎コレクション
岩波現代文庫の定番というのが、いまだに固まっていないからでしょうか、このよう
なベスト10となっています。岩波文庫であれば、もう何年も同じようなものが上位に
きていると思えるのですが、現代文庫は来年にこのアンケートをしましたら、何冊かは
入れ替わっていそうです。それにしても、加藤周一さんのものが二冊も入っているのに
驚きであります。