月の初めに 3

 本日も昨日に引き続きで、岩波「図書」掲載の「読者が選ぶこの一冊」からであり
ます。これにどのようなものがあがっているかは、岩波書店のホームページを見ると
でているものと思っていましたら、まだ掲載されていないようです。
すこし遠慮しいしい紹介することにしましょう。
 昨日は、「読者が選ぶ」岩波文庫リストでしたが、歴史の長い文庫は、どうして
も定番物が上位にくるようです。岩波新書もそれに似た傾向で、最近出たものでは
堤未果さんの「ルポ 貧困大国アメリカ」が10番にあがっていました。
上位五番までというと、斎藤茂吉丸山真男加藤周一梅棹忠夫、池田潔でありま
して、この著者名を掲げましたら、その著書名はおわかりになりますでしょう。
 これとくらべたときに面白いのは、岩波現代文庫であります。現代文庫は創刊が
2000年とありますので、歴史は12年ほどで、刊行点数も本家の岩波文庫とは比較にな
りません。
 現代文庫のベスト10を、すべて掲載してみましょう。
1 ご冗談でしょう。ファインマンさん
2 白い道                吉村昭
3 現代語訳  論語
4 私にとっての二十世紀         加藤周一
5 中勘助銀の匙」を読む        十川信介
6 「赤毛のアン」の人生ノート      熊井明子
7 読書術                加藤周一
8 文学部唯野教授            筒井康隆
9 獄中記                佐藤優
10 高木仁三郎コレクション  
 
 岩波現代文庫の定番というのが、いまだに固まっていないからでしょうか、このよう
なベスト10となっています。岩波文庫であれば、もう何年も同じようなものが上位に
きていると思えるのですが、現代文庫は来年にこのアンケートをしましたら、何冊かは
入れ替わっていそうです。それにしても、加藤周一さんのものが二冊も入っているのに
驚きであります。