岩波書店「図書」2013年1月号の巻末には、「読者が選ぶこの一冊」結果発表が掲載
されていました。これへの応募総数は3471通とのことです。
岩波文庫、岩波現代文庫、岩波新書、岩波ジュニア新書、岩波少年文庫をあわせて五つ
のシリーズから、それぞれで「この一冊」を選んでいくというものになります。
学校などで生徒によびかけて回答を寄せたということもあり、そうした一面がうかが
われるようなところもありますが、まあそれはよろしいでしょう。
ちなみに岩波文庫では、次のようなものベスト10となったとのことです。
・ こころ 夏目漱石
・ 君たちはどう生きるか 吉野源三郎
・ 銀の匙 中勘助
・ 忘れられた日本人 宮本常一
・ 古寺巡礼 和辻哲郎
・ 論語
・ 寺田寅彦随筆集
・ 坊っちゃん 夏目漱石
・ 武士道 新渡戸稲造
・ モンテ・クリスト伯 デュマ
最後にデュマの小説があがっていて、ほっとしました。これ以外の上位にあがっている
ものは、教科書に採用されているようなものばかりで、これらが上位でもおもしろみに
かけます。岩波文庫の赤帯からエンタテインメント小説を選んで読むというのは、読書の
王道でありますが、岩波文庫から教科書的な読書にはいるのではなくエンタテインメント
小説にと声を大にしていいたいことです。