最近買った本 7

「ロシェフォールの恋人たち」のことを「もはや誰もが認める傑作」と小西康陽さん
はいうのでありますが、これは小西さんの偏愛の作品であるのでしょう。
 小西さんは映像が眼に浮かぶような音楽を指向しているのでしょうね。映像に音楽
をつけるというのではなく、音楽を聴いていると映像が浮かんでくるというのが、
小西さんの音楽世界なのでしょう。
 そして音楽世界のもうひとつは、「美しい女の子が美しい声で歌う」のであります。
この二つが理想的な形で提示されるのが、「ロシェフォールの恋人たち」という映画
作品でありますね。(ドヌーブとドルレアックのお二人の歌は吹き替えであったよう
ですが。)
 「これは恋ではない」には、「ロシェフォールの恋人たち」についての文章が収録
されています。
「いちばん観たかった映画がとうとうリヴァイヴァル上映されることになりました。
こうして皆さんにこの素晴らしさを伝えられることを心から幸せに思っています。
とにかく観て、この楽しさ、美しさを味わってほしいのです。・・・・
 何といっても音楽の素晴らしさ。ミュージカルなのだから良くて当然ですが、
ミシェル・ルグランの書いた音楽は映画史上最高、と断言します。」
 これは「MCシスター」という雑誌の92年9月号が初出とあります。読者の若い女性た
ちは、これを読んでどのように感じたでしょう。
「ぼくは長い間この映画のサントラ盤を繰り返し聴いていて、ほとんど丸暗記してい
ましたから、オープニングからしばらくの間、知り尽くした旋律とダンサーたちの動き、
そしてカメラの動きがあまりにもぴったりと合っていることに驚き、そして鳥肌が
立ってしまいました。」
 http://www.youtube.com/watch?v=OL08eUrYgTc&feature=related
 本当は、どこかの映画館でこの作品をみることができればよろしいのでしょうが、
それは容易なことではないので、youtubeでオープニングを観てがまんをいたしま
しょう。