本日の午後のNHKBSで「ロシュフォールの恋人たち」の放送がありました。
監督ジャック・ドゥミで、音楽はミシェル・ルグランというコンビによるミュージ
カル映画であります。同じコンビでは「シェルブールの雨傘」が先に作られていて、
そちらのほうが有名かもしれませんが、こちらの「ロシュフォールの恋人たち」のほう
が傑作との声が高いようであります。
当方にとっても忘れがたい作品であるのですが、それは何よりもフランソワーズ・
ドルレアックという女優さんがでているからでありました。この映画で主人公役の双子
の一方になるのですが、もう一方は、実の妹でありますカトリーヌ・ドヌーブが演じて
いました。
それにしても、ほとんどまったくこの作品のことをおぼえていないことに愕然であり
ますが、その分作品を楽しむことができました。
この作品は、小西康陽さんの偏愛の作品でありまして、彼には、これに言及した文章
がいくつかあります。当方も、それに反応して思い出を綴っておりました。
( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20120323 から数日間 )
ということで、本日はこの映画をTVで見物して、そのあとに小西康陽さんの「これは
恋ではない」をとりだしてきて、かって引用している、次のくだりを再度目にしました。
「いちばん観たかった映画がとうとうリヴァイヴァル上映されることになりました。
こうして皆さんにこの素晴らしさを伝えられることを心から幸せに思っています。
とにかく観て、この楽しさ、美しさを味わってほしいのです。・・・・
何といっても音楽の素晴らしさ。ミュージカルなのだから良くて当然ですが、
ミシェル・ルグランの書いた音楽は映画史上最高、と断言します。」
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と(そういえば、本日の映画でも『なんとナントへ』というだじゃれの字幕がありまし
た。本当はなんといっているのでしょう。)「ひとりぼっちの青春」が取り上げられて
いました。
まったくの偶然ながら、昨日に古本屋で購入した「彼らは廃馬を撃つ」が、この「ひと
りぼっちの青春」であるのは、昨日も話題としたとおりです。
この流れで、本日は小西康陽さんが記する「ひとりぼっちの青春」の冒頭部分を引用で
す。
「角川文庫が若者向けのベストセラー小説や、映画の原作ものなど、それ以前には考えら
れないほど柔らかい読み物をそのラインナップに導入して、読書界に文庫ブームを起こし
たのは、ぼくが小学校高学年から中学生の頃だったと思う。・・
『彼がは廃馬を撃つ』という小説も、当時やはり角川文庫からでていたのを憶えている人
はどれくらいいるだろうか。作者はホレス・マッコイ。『ひとりぼっちの青春』という
タイトルで封切られた映画の原作の翻訳だった。」
小西さんが中学生の頃に、角川文庫でこの小説を読んでいるとしたら、末恐ろしいので
ありますが、そういうことはなくて、映画紹介文の最後には次のようにありました。
「映画を観たあと、古本屋を何軒も探し歩き、ぼくは原作の文庫本を手に入れた。」