最近買った本 6

 ドルレアックとドヌーブ姉妹が主演した「ロシェフォールの恋人たち」を、いつどこで
みることになったのだろう。この映画が公開されたのは67年とありましたので、当方は
まだいなかの高校生でありました。その時代は日記をつけることもなしですから、いま
では確認のしようもありません。高校生の途中で、親が転勤することになり、高校のある
町で下宿するはめとなりました。その町には米軍の基地があって、町の映画館でも米軍の
兵隊たちと一緒に洋画(かれらにとっては自分の国の映画)を見ることがありました。
その昔にあったビールの二リットル瓶というのを手にしてのらっぱのみ、足を前の座席に
なげだしながら、こちらがじーんとくるようなしーんで大笑いをするという不思議な体験
をしたものです。
 どうしてドルレアックを知るになったかというと、それは「リオの男」にでていたから
でありますね。「リオの男」はもっと古くて64年ですから、まだ中学生の時でした。
中学校の時にベルモンドのファンであったとは思えませんので、封切りされて相当に
たってからベルモンドのファンとなり、ベルモンドの映画を何作見ているうちに、
「リオの男」にでていたドルレアックをお気にいりとしたもののようです。
「リオの男」というのは、ベルモンド主演のアクション映画ですが、覚えているシーンと
いうと、山奥にはいっていて、ふと気づくと、その山の中は高速道路の工事現場であった
というところのみです。
 ドルレアックさんは67年に25歳の若さで自動車事故で亡くなるのですが、
ドルレアックが亡くなったという報道は目にした記憶があって、この時には
「ロシェフォールの恋人」を見ていたようにも思いますので、そうすると高校生の時に
見ていたのかな。40年以上も昔のことです。記憶はあいまいどころか、ほとんど忘れて
いるのですが、こうしたことに思いをめぐらすことができるというのが、小西康陽さんの
本を魅力であるかもしれません。