ブンブン堂のグレちゃん2

ブンブン堂のグレちゃん―大阪古本屋バイト日記

ブンブン堂のグレちゃん―大阪古本屋バイト日記

 「ブンブン堂のグレちゃん」 グレゴリ青山 イーストプレス刊のあとがきに、
「古本屋には、個性があって古書店で働く人に味がある人が多いとともに、店主の
個性が反映された書棚にもまた顔がある。この本の見返しにはそんな古本屋さんの
棚面をならべてみました。」とあります。
 昨日に小生が話題にした「ジョン・クレアの詩集」は、その見返しにある書棚の
写真にうつっていたものです。大阪に実在の古書店の棚とのことですから、この
写真をみただけで、この棚のつくりと、本に硫酸紙でカバーをかけて、値段を帯の
背に記する手法は、あの本屋の棚であるなとわかるのでしょう。
 この本のなかには、「あれしてこれしてなにする」という章がありますが、
これはブンブン堂で店長とバイトさんの間で日常的にかわされる用語のことであり
まして、「あれして」は本をきれいにふくこと、「これして」は硫酸紙で本を
カバーすること、「なにしておいて」というのは、帯状のかみに本の値段を書き入れ
本の背に見えるようにまくことだそうです。
 見返り写真の棚にあった「ジョン・クレアの詩集」は硫酸紙のカバーがかかり、
帯状の紙がまかれで、その背に値段が記されていましたので、この本は、ブンブン堂の
ものであるのかもしれません。上林暁の作品集が9冊ほどならんでいて、値段も
まずまずでして、この写真をとってから一年半くらいたって、どのくらいこれに
ある本が売れているのか、興味のあるところです。
 古書店で硫酸紙でカバーをかけている店というのは、どのくらいあるのでしょうか。
カバーのかかった本がずらっと並んでいるのは壮観ですが、あれは本を守るために
はいいのですが、箱から本を出すときには、すこしじゃまになりまして、硫酸紙の
カバーを破らないようにと、立ち見して、値段のチェックをする時、いつもより
慎重になるのでした。このコミックでも「本の箱にカバーするのは、けっこう難しい」
とありました。
 店内のほとんどすべての本にカバーをしているような古書店というのは、それなり
の雰囲気でありまして、ひやかしではいることができない気分になりますが、この
ような店( 大阪でしたら浪速書林のことが頭に浮かびます。)のバイトさんは、
まずは、硫酸紙のかけ方を仕込まれるという話を聞いたことがありました。