国境の街へ 2

 根室市での滞在時間は短かったのですが、駅から繁華街までの間をうろうろとして
いました。この街は古くから海産物の集積地として開けていて、あちこちに史跡など
が残っています。
 さらっと史跡をめぐりましたら、あとは美食を楽しむことになりです。根室といえ
ば、花咲かにですが、ちょっといった時間が遅かったのですが、なんとか閉店準備を
しているお店にはいってありつくことができました。


 ちょうど散策をしていた時、古い教会が目に入り、そのすじ向かいに古書の文字が
目に入りました。なんと犬もあるけば古書店にあたるであります。


 根室の古本屋さんは、どのような本がならんでいるのかとはいって、急いで棚の
チェックです。今回の旅行の記念になにか一冊をと思っていましたら、次のものが目に
はいりました。
 古山高麗雄 「わたしの濹東綺譚」小沢書店 1989年3月刊
 これはあまり目にしない一冊で、小沢書店だし、そこそこ美本でありますので、値段
は当方の設定よりも高いのですが、ここで出会ったのもなにかの縁ということで、買う
ことになりです。
 帰りの車中ではこれを読んでいましたと言いたいところですが、今回の車中の友は、
谷崎の「痴人の愛」でありました。車中の時間が長かったせいもあって、けっこうペー
ジをかせぐことができました。