銀花 118号から

 めったに買うことはないが贔屓にしている雑誌が休刊(実際は廃刊でしょう。)に
ならないようにするためには、たまには購入をすることが必要でしょう。
新聞の記事によりますと、小生がほぼ定期で購入していた時期に「ラピタ」は、
部数のピークを迎えて、最近はそのころの半分以下に部数がおちていたとのことで
ありました。
 小生としてはつき合いが深くて、なくなると淋しいだろうなと思う雑誌「銀花」を
大事にしなくてはいけないと、身にしみて感じるのでありました。
手近にあった「銀花」を手にしますと、これは99年刊の118号でありましたので、
まさかこれから購入していないなんてことはないよなと、気になったのであります。
ちなみに、この118号は、「書肆ユリイカ」の特集をしているので購入したもので
ありました。この特集の本文は田中栞さんが書いているのでした。この時代には、
すでに「ユリイカ」というと「田中栞」さんという具合になっていたのですね。
 この号の巻末には「書物雑記」というページがありまして、普段なかなか目にする
機会がない限定本の紹介記事などがあるのでした。
この号にあって、こんな本が紹介されていたのかと思ったのは、次のもの。

「 常の出版社では望めない本をつくってみたいとの思いから、西欧の正統的な書物の
作り方をふまえつつ、美しい書物を世に送り出す指月社、その最新作は、ポール・
ヴァレリーの『書物の容姿』である。・・内容にふさわしく、印刷や造本にも随所に
実験精神が横溢する。
 本書は12.9×14センチという小型変形版でフランスアルジョマリー社のベラン・
アルジョマリー社のベラン・アルシュ紙を本文用紙に用い、活版印刷の二色刷り。
印刷を担当したのは、本格的文字組版の美しさでファンも多い、共立印刷所。活版
印刷では職人もやり方もいまだに昔のままで、現場の人々の平均年齢は60歳を
超えてしまったが、活版全盛時代も現代もその優れた品質にはまったく変わりがない。」

 指月社という出版社のことは、この本の紹介ではじめて知ることになりました。
今から10年前に、この本の紹介を目にしたとは思うのでありますが、すっかり、この
本のことを忘れているのでした。