湯川成一さんの死 

 今から20年ほど前に、活発な活動を行っていた出版社 湯川書房
オーナーであった「湯川成一」さんがなくなったとのお知らせをいただき
ました。
 すこし湯川書房に関連する本をひっぱりだしてきて、このブログを
作成するための参考としています。一番、最初に手にしたは、「季刊湯川」と
いうリトルマガジンであります。小生の手元には、6号までしかないので
ありますが、日本の古本やをみましたら、全7冊が刊行されたとありました。
これが正しいのでありましょう。小生は、一応定期購読者であったと思うの
でありますが、どうして7号めが、小生のところにないものか、これが
わかりません。たしか、数巻分の費用を振り込んで、たりなくなったら、
再び送金をするという仕組みでありましたが、小生は、いくら送金したのかと
いうことがわかりません。
 この季刊「湯川」を編集・発行している「加川邦章」というのは、湯川さんの
別名であるということがわかっていますが、これに何回か文章を掲載している
「有田佐市」というのも、湯川さんの別名であるのでしょうか。
これは「ムッシュTについて」というタイトルのものですが、ここには次の
ようにあります。
「 善介の友だち加川邦章のメモには興味をそそられた。
 ・・年がら年中倉庫番でほとんど外出不可能であるとのこと、気の毒だとは
 思が、おまえが自分で選んでそこにそういう風にいちしているのだから、自業
 自得でもあるのだ。
  さて。おたずねの面白い本だけど、小生多忙で本を読む暇はほとんどないのが
 実情、毎朝他紙の社会面の見出しをざっと見て、他紙の何かをスクープされて
 いないかを確かめ、・・・・
  ただ新聞社の近くに書肆S社という変わった本屋があって、ここの店の人は
 実によく本のことをしっているのだな。そこで、小生は小生の読書の傾向に
 沿った書跡はすべて小生が行くまでそこへおいてもらうっことにしてある。」

 この文章の中で、主人公は新聞記者のようで、しかも加川さんという友人が
いるようになっています。書肆S社というのは、青泉社のことですね。
 この作者である「有田佐市」で検索をかけても、「季刊湯川」に掲載の文章しか
でてきません。ここにしか登場しないとは、有田=加川=湯川とも思うので
ありますが、本当のところは、どうなのでしょう。
 湯川さんとおつきあいの深かった「仙台は親戚」様にでも、真相をあかして
もらいたいことです。