書肆季節社の本

 古本好きの方のブログを拝見しますと、掘り出し物を見つけたなんてことがよく
書かれていますが、こちらはリアル古書店にはめったにいくことがありませんので、
ほとんどそのような楽しさを味わうことはありません。
いきつけにブックオフが一軒ありますが、ここは、最近は以前とくらべると収穫が
少なくなったように思います。八木義徳全集全8巻を4200円で購入したのが
一番の掘り出しであったかもしれません。
 最近は、時間的にきびしいせいもあって、古本の確保は「日本の古本屋」と
中野書店の「古本倶楽部」によることが多くなっています。「日本の古本屋」で
検索をかけてヒットすると、複数の在庫があるばあいには、一番安価なものを
購入することにしています。中野書店「古本倶楽部」は、掲載本の最低値段は
1,575円でありますが、これに送料がかかりますので、あわせて2000円ほどに
なります。これが安いのかどうか、珍しい版元の本が、最低の値段で「古本倶楽部」
にのっていますと、ついつい注文をいれてしまいます。
 先日は、この「古本倶楽部」で書肆季節社の本を入手しました。
書肆季節社のことをネットで検索をかけると、編集工房ノアからでている「海鳴り」
19号に「書肆季節社哀惜」鈴木漠という文章がのっているとありました。
「 すでに伝説的な存在となった出版社書肆季節社を経営し、歌人塚本邦雄
著作物のほとんどを手がけ、装訂家として一時代を画した政田岑生は、すこぶる
早熟な詩人でもあった。・・同人誌「季節」は、政田20歳の昭和30年に第19号を
刊行した後、発展的に廃刊されるが、継続して『罠』や『洪水』といった詩誌が
発行所名を季節社(後に書肆季節社)として刊行されることになる。・・・
 大企業に奉職して会計畑の職務に精励する傍ら詩作にも勤しむという超人的な
生活習慣は大阪転勤に伴って書肆季節社の拠点を大阪府に移した後も続く。」
 政田岑生さんは、塚本邦雄さんの黒衣のような存在でありましたが、湯川書房
にも大変深い関わりをもっておられました。  
 まずは、小生が購入をした書肆季節社刊「編集中記」今井田勲著の紹介から始め
ましょう。