日本のライトヴァース

 書肆山田で一番有名な本はシリーズとなった「日本のライトヴァース」であり
ましょう。小生は、そのうちの2冊を購入し、手元においておりますが、サイズと
いい、雰囲気といい、とっても好ましいものです。
シリーズの2冊目は、「動物園の珍しい動物」というタイトルでありまして、これは
もちろん天野忠さんの有名な詩のタイトルからであります。
この2冊目は、金関寿夫さんが編集をしていますが、1,2をとおして作品がのって
いますのは、藤富保男小熊秀雄矢川澄子田村隆一天野忠さんでありました。
これらの詩人には、「軽い詩」が多いということでしょうか。
 天野忠さんは、74年に「天野忠詩集」を永井出版企画からだして、やっと全国的に
知られるようになったのですが、この「ライトヴァース」が編集されたときには、まだ
まだマイナーな存在であったはずです。その詩人の、代表作をアンソロジーの表題と
したのが、編集者の慧眼でありましょうか。
 この「ライトヴァース2」の後記には、次のようにありました。
「 本書収録作品のうち『ざれ歌』の作者 ひろし・ぬやま氏のご親族には本書刊行
 時点まで連絡をとることができませんでした。ご住所その他ご存じのかたは、何卒
 編集部までお報らせくださるようにお願いをいたします。」

 ぬやま・ひろし(西沢隆二)さんのご親族に連絡がつかないということが、あった
ようですが、その後に連絡はついたのでしょうか。けっこう著名な人であっても、
いろいろと事情があって、連絡がつなかくなることがあるというのも、詩人の運命で
ありましょうか。