ゼロ年代の50冊 2

 朝日新聞の「ゼロ年代50冊」ですが、151人の回答者があげたタイトルは620冊
にもなるのだそうです。とりあえず、50冊の書名はわかるのですが、そのほかには
どのようなものがあったのでしょう。たとえば、ということで安岡章太郎の「鏡川」、
大江健三郎の「さようなら、私の本よ」、そして複数の方があげた岡村晴彦「自由人
 佐野碩の生涯」などは書名があがっていました。町田康の「告白」が堂々3番目に
位置しているのに、ノーベル賞作家がないのはどうしてかといわれることを察知して、
ここでは大江健三郎の名前があがっているのでしょうか。
 ここ10年間にどのような本を購入したろうかと、手帖につけているリストの見直し
をしているのですが、購入しているのは文庫であったり、古書であったりしている
のですから、このアンケートの趣旨にはあうものは、多くはありません。
 たとえば00年に購入したものとか印象に残るものとして、当方がメモしているものに
は、次のようなものがありました。
 「 古くさいぞわたしは」 坪内祐三 晶文社
 「 裸の大将一代記 」  小沢信男 筑摩書房
 「 中勘助の恋 」    富岡多恵子  平凡社ライブラリー
 「 下鴨北園町93番地 」山田稔 編集工房ノア
 「 堀江敏幸の書評 」
 「 小沢書店の倒産  」
 なかなか眼のつけどころがいいではないかとほくそ笑んでいるのですが、このなかの
中勘助の恋」の元版は93年の新刊でありました。堀江敏幸は「書かれる手」が、
00年にでているのですが、これを購入したのは01年になってからのことでした。
「小沢書店の倒産」は該当になりませんね。
そうなると残るのは3冊ですが、これは「ゼロ年代の50冊」の候補にはなりませんか。
小沢信男さんは「東京骨灰紀行」があがっているので、今回は遠慮してとなると、残る
坪内祐三さんと山田稔さん。
 そうなると00年は「山田稔」さんの「下鴨北園町93番地」に決まりでしょう。
山田稔さんは、このあと「富士さんとわたし」という大冊がありましたが富士正晴
天野忠というと、よりマイナーな天野さんのほうがよろしいかな。)