やっと借りました

 当方が利用している図書館は、中央というのが頭についておりまして、その

他にもいくつかの分館があって、ネットワークでつながっております。

市内に分館はいくつかありまして、そこに直接入ります図書はほぼ閉架のよう

なものでありまして、ネットで蔵書検索をかけてみなくては、存在するかどうか

もわかりません。

 いちばん利用者が多いのは中央でありますので、そこに新刊などは一度入れば

よろしいのですが、もちろんそうはならないのでありますね。

この本なんて図書館に入ってもいいはずなのに、どうしてないんだろうと思って

蔵書検索をかけましたら、分館の一つに架蔵されていたりします。

それを借りようと思いましたら、その分館に足を運ぶか、ネットで予約となり

ます。(言わずもがなのことですが。)

 当方は、どのような本でもすぐに読むことはできなかったりしますので、他の

方が楽しみにして借りて読んでいる場合には、その本が返却されるまで、じっと

待つことにしております。その本をネットで借り出し予約をしましたら、お待ち

の方がいますのでといって、そこそこ早くにまわってくるのですが。

 本日に借りました本は、ずっとどこかのどなたかが借り出しを継続されていて

読まれていたもので、やっと返却となっていたのを発見し、それを借り出し予約

して分館からまわしてもらったものとなります。(ひどく前置きがながいこと。)

 その本というのは、森まゆみさんの昨年の本でありました。 

 森さんの谷根千つながりの一冊でありまして、版元は千駄木羽鳥書店で、

装画は谷中生まれの有元利夫さんとなります。

「路上のポルトレ」というからには、すれ違った人たちの肖像となりますが、

この本には谷中の人、小沢信男さんは登場いたしませんです。この本が刊行

された時には、小沢さんは健在でありましたから。

 本日は、森さんの本から、森さんが取り組まれていた「神宮外苑と国立

競技場を未来へ手わたす会」に寄せられた宇沢弘文さんの病床からのハガキ

を引用させていただくことにです。

「2020年の東京オリンピックに向けて新国立競技場を新築しようという案

に反対の声を上げていただき感謝して居ります。現在の競技場を改修して使い

続けることに賛成します。一流の建築家の方々が技術的に改修可能だと発言し

て居られます。

 旧競技場の解体中止、神宮外苑の景観の維持に心から賛同致します。巨大な

規模の競技場ではなく、人々に愛され、利用される競技場が必要と考えます。

 今は原発の処理、大震災後の罹災者、市町村の社会の立て直しに知力、資力、

資材を最大限に生かすべき時と考えて居ります。」

 森さんが会を発足させたのは2013年で、宇沢さんが亡くなられたのはその

翌年のことになりますので、ほとんど宇沢さんの遺言のようなものですね。

 それにしても最初がよろしくなければ、どこまでもついてまわるものです。

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昨日の「鑑定団」で

 本日の朝に届いた友人からのメールには、昨日の「なんでも鑑定団」に

長谷川潾二郎さんの絵画がでていたねとありました。生憎なことに当方は、

録画だけして、それを見ることもなしに朝になっていたのですが、メールで

知ったときには時間が足りず、野暮用から戻ってそれをチェックすることに

なりです。

 長谷川潾二郎さんの作品を持ち込んだのは43歳の女性で、画廊でであっ

て一目惚れして、入札販売に札をいれて入手したのだそうです。ありったけ

の貯金をかき集めて支払いをしたといってました。

 毛糸玉を複数描いた静物画でありまして、とっても好ましいものです。

気になる鑑定額は現在の相場であるようですが、まさか長谷川潾二郎さんの

作品が流通しているとは思いませんでした。

 当方にとって長谷川潾二郎さんは、特別な画家さんでありますので、彼女

が最初に入手した額でありましたら、当方も支出が可能であったよなと、

番組をみながら、家人と話をすることになりました。

 この作品は、2010年の回顧展にあわせて刊行された画文集にも収録さ

れていないもので、もちろん1990年の岩崎美術社からのものにもありま

せんでした。

 なんとなく長谷川潾二郎さんはほとんど作品を販売しない人という印象を

もっておりましたので、数少ない作品が市場にでれば、もっと高い値段が

ついても不思議ではないなと思っていましたが、こういう番組によって長谷川

さんに光があたれば、それもよろしでしょう。

 

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来週はお休みが続くのか

 印刷されたカレンダーでは、来週月曜日が祝日となっているのですが、

2021年に限ってのこと22日から祝日が続くのだそうです。何の日と何の日が

何のためにつながったのかですが、今年は東京を中心にオリンピックと

パラリンピックが開催されるのでありました。

 元々は昨年に開催されることになっていたのですが、これがコロナで一年

延期となったのでした。あと10日くらいで開会式のようですが、いまだに

本当にやるのかなという感じです。

 これを熱心に推進しようとしている人たちは、いまから60年近くも前に

開催された東京での大会に、これを重ねたいようでありますが、冷戦構造の

なかで高度成長にむかっていたその時代と、世界での存在感が凋落傾向にあ

る現代とを重ねるのはなかなかすんなりとはいかないことです。

 それにしても、なんかひどく置いていかれているという感じがしますです

ね。その昔でいきますと地方議員という感じの人や貴族院議員という感覚の

人たちが日本の政治家のトップでありますから、これを危機といわずになんと

いいましょうかな。

 そういう人々がすがりたいのがオリンピックでありまして、荷が重いことで

あります。

 そういえば、当地でもオリンピックのための事前合宿があるということで

アナウンスされていましたが、これはすべて取りやめになったとのことです。

ある国の選手団とは合宿のためのメールのやり取りが途絶えてしまったとの

ことで、これは中止なのだろうという話ですが、大丈夫なのかですね。

 長雨のせいで、ほとんどのバラはだめになってしまいましたが、遅れて開花

した花をながめて気持ちを鎮めることにいたしましょう。

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小雨ならやらねば

 本日も朝から小雨でありましたが、先送りしていたバラの剪定と花がらつみ

を行うことにしました。雨合羽を着用し、ゴム手袋と厚手の革手袋を使いわけ

て、好き放題に伸びていたバラを刈り込むことにです。本日はノイバラとシュラブ

系のバラの剪定です。本日の午後からゴミ収集でありますので、それに間に合う

ように指定の袋に押し込むことになりです。20リットルの袋に三つほど枝を

落としたのですが、すこしはすっきりとしたでしょうか。

 この長雨のせいで、せっかくのバラの花は、黒ずんでしまい、今年は花が良く

咲いてくれていただけに残念なことです。

 午後からの買い物に合わせて、行きつけの本屋を訪れることになりです。この

店の新刊がならんでいるところをチェックしてから、文庫新刊もみることになり

です。今月は、何冊か楽しみな新刊があるのですが、本日はそのなかなかちくま

文庫の、次のものを買いましたです。 

  ほとんど知っている人もいないであろう茅辺かのうさん、初めての文庫本で

あります。生前には著作が二冊で、どちらかというと「階級をえらびなおす」の

ほうが主著であるように思いますが、そちらではなく「アイヌの世界に生きる」

のほうが復活しました。こちらは元版も筑摩書房でありましたし、アイヌの世界

をテーマにした本のほうが時代にあっているかもしれません。

 この文庫本の解説は本田優子さんですから、アイヌとその文化についての理解

を深めてもらおうという本になっています。

とはいっても、茅辺かのうというほとんど知られていない女性について、ひとこ

と説明を加えなくては、どうして、このような本ができたかということがわから

ないことになります。

 ということで、本田さんは、その解説で「まずは著者の茅辺かのうについて

書かなければならない」と記して、その人となりについて書いてくれています。

茅辺かのうさんは1924年生まれでありますが、実にラジカルな生き方をした

女性でありまして、時代を先駆けしすぎていたことであります。

この本読みたい

 新聞の書評に期待するのは、あまりひと目に触れないところで刊行される

渋い本を紹介してくれることですね。当方の住む町にあります本屋さんは、

売れ筋の本しか並ばないのでありますから、新聞書評に掲載のものは、ほぼ

当方の目に触れない本であるのですが、この場合は、そうではなしでありま

して、新聞に広告を載せるのもたいへんな小さな版元の本となります。

 本日に手にした北海道新聞の書評欄には、次の本の紹介がありました。 

 小林克也さんの本でありますよ。表紙絵の小林さんはおいくつくらいの肖像で

ありましょう、小林さんは御年80歳とありました。

北海道新聞(もちろん道新といいます)では、著者訪問でインタビューして、本

を紹介するのですが、この書き出しは、次のようになりです。

ちなみにこのインタビュー記事の記者さんは、恵本俊文さんという方で、音楽に

詳しいと評判の方です。

「本書は、米軍放送で洋楽、英語と出会った筆者が半生をつづる。DJ歴は半世紀

を超えた。1981年に始まった人気番組『ベストヒットUSA』では洋楽をビデオで

紹介、多くのミュージシャンにインタビューを重ねた。一度終了したが、2003年

にBSで復活、放送開始から40年を迎えた。」

 小林さんは当方よりも10歳年長でありまして、当方が学生の頃に聴いておりまし

た洋楽を放送する番組ではあまりなじみがありませんでした。当方の中学から高校

にかけては、それこそ福田一郎とか高崎一郎などがやっている番組を楽しみにして

いましたからね。

 小林さんのラジオ番組にはどのようなものがあったのかは、正直よくわかってい

ないのですが、英語の発音がえらくそれらしいDJがいるというのは承知していまし

た。楽曲の紹介がかっこよくて、それで小林さんを強く意識しましたです。

 小林さんのことを当方より5,6歳下の人たちが、面白からきいてといってきた

のは、もちろんスネークマン・ショーのものでありました。そのときは、すぐに

これにでてくる咲坂さんが小林克也さんとは気づきませんでしたし、伊武さんは、

この人だれという感じでありました。1980年頃のことですから、今から40年

ほども前の話です。

 最近は毎週ではありませんがベスト・ヒットUSAをTVで見ておりますが、最近

のUSAのヒット曲はさっぱりなじめませんので、もっぱら懐メロのように紹介さ

れるものを楽しんでおります。

 最近に見たものでは、コロナ禍にあっての自宅から配信されたキャロル・キング

を紹介した回が、特に印象に残りました。キャロル・キングこそ、小林克也さん

の同時代人でありまして、その紹介に力がはいったのも頷けることであります。


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本日も雨となり

 昨日にはすこしお天気が回復するような感じとなったのですが、夜から

雨となって、本日も終日小雨でありました。お天気が回復したら、すこし

庭仕事と思っておりましたが、このお天気じゃだめでありまして、午前は

ジムへといって汗を流すことにいたしました。

 いつもでありましたら、たぶん屋外でランニングをなさっているであろう

ランナーたちは、本日はジムのマシンの上で走ってにぎわっていました。

雨のせいで、明日も庭仕事はちょっと無理なようですので、明日もジムへと

いくことにしましょうかな。

 午後から買い物を兼ねて外出したときに、すこし待ち時間が発生するよう

でありましたので、文庫本を持参することにしました。このところ読んでい

プルーストはどうかなと思いましたが、これは時間つぶしで読むにはむか

ないことでありまして、昔の人が書いた素直な日本語の本を携行することに

しました。

 ちょうど、以前に安価で確保することができて、いまだ読んでいないもの

ですから、これを機にすこしでもページをめくることができればよろしです。

 「 惜櫟荘主人」といっても、今の主人についてではなく、最初の主人である

岩波書店 岩波茂雄を描いたものであります。著者の小林勇さんは、もちろん

岩波書店に奉公人としてはいって、後に岩波の女婿となる方でありますが、文人

としても著名な方です。

 この本の序で、小林さんは「岩波茂雄が亡くなってから間もなく伝記を作る

話が出て、安倍能成先生がそれを引き受けられた。」と書いています。これは

岩波の公式伝記でありまして、完成してからは最初は非売品として配布されたと

とのことです。

 この公式伝記は安倍能成が多忙であったこともあって、完成が遅れて、その間

に小林さんは、自分なりの岩波茂雄伝をまとめておこうと思って記録をとりはじ

めたときに、安倍能成との間で次のようなやりとりがあったと記しています。

「安倍先生が、私の原稿が出来たことを知られ、それを質されたので私は事実を

話した。その時先生は、出版する気かとたずねられたので、今その事を考えてい

ないと答えた。安倍先生は、自分の岩波伝は完成までにまだ時間がかかる。君の

ものがその前に出ては困るといわれた。先生はまた『僕のものが出てから三年

たったら君のは出版してもよい』といわれた。」

 昭和31(1956)年のことでありますので、小林さんは53歳くらいで岩波では

代表取締役専務でしたが、安倍能成といえば、学習院院長で、元文部大臣であり

ますので、とても歯がたつ相手ではありませんでした。

 それにしても、岩波茂雄はともかくとして、安倍能成なんて名前も聞いたこと

はないという人が多くなっているのでありましょうね。

 

新聞広告を見ていたら

 本日の新聞新刊広告をみていましたら、「エリック・ホブズボーム」という

書名が目に入りました。もちろんこれは二十世紀を代表する歴史家についての

評伝ということになります。それにしても、ホブズボームの著作が読まれてい

るとも思えないの、この上下二冊の評伝とは、どういう人が購入するのであり

ましょう。

 そのように記しながら、これが図書館に入ったらちょっと手にしてみたいと

思うことです。本日の広告には、この本の紹介として、次のようにありました。

「二十世紀を代表する大歴史家の生涯を、歴史学の泰斗が描いた圧巻の評伝。

青年時代の苦悩、共産党員を貫いた経緯から、出版の裏事情、女性関係まで、

エリックのすべてが明らかに。」

 今の日本でありましたら、パヨクとかアカと呼ばれて嘲笑されるタイプの歴史

家ホブズホームでありますが、英国のネットの世界でもそのような言い方はされ

るのでしょうか。(それにしても、そういう人たちには先人への尊敬のかけらも

ないことで)

  もう一冊目にした広告には、次のコピーがありです。

「ネットに吹き荒れる誹謗中傷、国民を見殺しにする政府や権力者、強気を助け、

弱気を挫くメディアの病巣、日本の歪な現実の病巣を、いまもっとも硬派な論客

2人が語り尽くした。」

 それこそ、なにか発言しますと炎上必至のお二人の対談でありますが、もちろん

当方は、このお二人の発言がどうして炎上するのか理解できないのであります。

このような発言を快く思わない人がいることは理解できるのでありますが。 

  今から十五年ほども前に、内橋克人さんが同じようなことを発言しているの

でありますがね。

「この十数年、規制緩和さえすれば『景気は良くなる』『雇用は増える』『活力

ある社会がくる』と一辺倒、万能論に明け暮れた帰結として、・・格差拡大社会

がもたらされた。

 いま私たちが立ち会っているのは『社会統合の危機』の時代なのであり、単な

る経済危機のレベルではない。政治を担うものにその認識はあるだろうか。

 国民は、もう長い時間、壮大な国民的錯覚のなかに取り込まれ、『改革』を

唱導するものたちの享受した新たな利権、利得、余恵の『甘い汁』から目をそら

されてきた。

 多くのトリックが駆使されている。・・国民は甘い拍手を送り、熱狂した。」