気分を良くして週末へ

 週末に向かってお天気は良い方へとむかっています。野暮用から戻って

TVで相撲を見物しておりましたら、ひいきの力士が見事に勝利して、連勝を

重ねることに。お天気にあわせて相撲のこの結果はうれしいことであって、

気分があがることです。

 気分を良くして図書館から借りている本を手にすることです。

昨日に借りてきた岡崎次郎さんの「マルクスに凭れて60年」となります。

本日に読んでいたのは岡崎さんが旧制一高から東京帝大文学部に進学する

頃の話でありますが、天下の秀才が集まっている一高ですから、その後に名を

なした有名人たちが登場することです。

 そのなかでも別格の秀才として描かれているのが、次の人でありました。

「私がよく憶えているの成績奇談(と言っても実談)はじつは石田英一郎

関するものである。前にも述べたように、彼はわれわれのなかでずば抜けた

頭脳の持ち主で、一番は常に彼の独占するところだった。そして彼以外の

ガリ勉組が二番以下の一桁順位を争奪し合っていた。ところが、三年生のとき

一学期の試験問題に倫理学安倍能成講師が『階級闘争の道徳的意義を

問う」という問題を出したのにたいして、・・石田は恐らく、この珍問自体が無意

味だという旨の答案を書いたのであろう。石田はこの試験で注意点をもらった。

この一課目の注意点のために石田の成績は六十何番かに急転落してしまい、

試験の順位などなんとくだらないものであるか、を私は実感した。」

 このようなところで、石田英一郎という名前を目にするとは思ってもみません

でした。石田さんが、そのような人であったとは知りませんでした。

 しばらく手にすることのなかった石田英一郎さんについての本を取り出して

なかをペラペラとのぞくことにです。その本には「石田英一郎の生涯」という章

があるのですが、ここには別格の秀才であるというのはありませんですが、学生

時代にマルキシズム接近したらしいとありました。

「石田はこれ以後京大生として獄につながれるまで、いわゆる学生運動の中心

的人物の一人として活躍するが、極端にいえば、これは誰のためでもない、自ら

の穢れをふるい落とすための努力だった。」(この引用は、講談社「日本民俗文

化大系「石田英一郎」からです。)

 石田の父は男爵でありまして、父の死後石田は22歳の若さで男爵を継ぐの

でありますが、まさに赤い貴族でありました。ほんとうにユニークな人物である

ことです。