新聞広告を見ていたら

 本日の新聞新刊広告をみていましたら、「エリック・ホブズボーム」という

書名が目に入りました。もちろんこれは二十世紀を代表する歴史家についての

評伝ということになります。それにしても、ホブズボームの著作が読まれてい

るとも思えないの、この上下二冊の評伝とは、どういう人が購入するのであり

ましょう。

 そのように記しながら、これが図書館に入ったらちょっと手にしてみたいと

思うことです。本日の広告には、この本の紹介として、次のようにありました。

「二十世紀を代表する大歴史家の生涯を、歴史学の泰斗が描いた圧巻の評伝。

青年時代の苦悩、共産党員を貫いた経緯から、出版の裏事情、女性関係まで、

エリックのすべてが明らかに。」

 今の日本でありましたら、パヨクとかアカと呼ばれて嘲笑されるタイプの歴史

家ホブズホームでありますが、英国のネットの世界でもそのような言い方はされ

るのでしょうか。(それにしても、そういう人たちには先人への尊敬のかけらも

ないことで)

  もう一冊目にした広告には、次のコピーがありです。

「ネットに吹き荒れる誹謗中傷、国民を見殺しにする政府や権力者、強気を助け、

弱気を挫くメディアの病巣、日本の歪な現実の病巣を、いまもっとも硬派な論客

2人が語り尽くした。」

 それこそ、なにか発言しますと炎上必至のお二人の対談でありますが、もちろん

当方は、このお二人の発言がどうして炎上するのか理解できないのであります。

このような発言を快く思わない人がいることは理解できるのでありますが。 

  今から十五年ほども前に、内橋克人さんが同じようなことを発言しているの

でありますがね。

「この十数年、規制緩和さえすれば『景気は良くなる』『雇用は増える』『活力

ある社会がくる』と一辺倒、万能論に明け暮れた帰結として、・・格差拡大社会

がもたらされた。

 いま私たちが立ち会っているのは『社会統合の危機』の時代なのであり、単な

る経済危機のレベルではない。政治を担うものにその認識はあるだろうか。

 国民は、もう長い時間、壮大な国民的錯覚のなかに取り込まれ、『改革』を

唱導するものたちの享受した新たな利権、利得、余恵の『甘い汁』から目をそら

されてきた。

 多くのトリックが駆使されている。・・国民は甘い拍手を送り、熱狂した。」