やはり見つからず

 本日はあったかい一日となりました。午前中のうちに早足散歩にでる

ことにしました。かなり着込んでいきましたので、まずまず汗をかくことが

できました。この散歩ですこしカロリーを消費しましたので、本日はおやつ

を食べても大丈夫かな。

 午後からは買い物のために外出ですが、それにあわせて新刊本屋を

チェックしてみることになりです。昨日に話題とした中央公論新社「小尾

俊人日誌」がまちがってどこかにはいっていないかなと思ったものです。

  ぐんま様にも書き込みをいただきましたが、本日にいった本屋二軒で

は、武田百合子さんの対談集は手にすることができましたが、小尾さんの

ものはかすりもせずです。武田さんのものとくらべると初版部数がうんと

少ないのでありましょう。とりあえず、ネットにたよることなく、どこかの書店

で買うことにいたしましょう。

 本日の行きつけの本屋で買ったものです。(それにしても文庫本も単価

があがっていることです。ちょっとしたものはほとんど千円近くなります。)

日本の美 (中公文庫 (な58-2))

日本の美 (中公文庫 (な58-2))

 

  昨日の中公文庫広告にあった今月の新刊。中井正一さんのものは読め

なくても買うのです。この文庫にはこれまで全集にも収録されることがなかっ

た「現代日本画の一つの課題」という文章がはいっています。中井さんの

文章はほとんど読んでいないのに、それでも全集未収録というのを見ると

買ってしまうのですよね。

 もう一冊買ったのは、富士正晴さんの名前が眼にはいったからです。

男色大鑑 (角川ソフィア文庫)

男色大鑑 (角川ソフィア文庫)

 

  角川系の文庫はあまりチェックをしていないのですが、本日はたまたま

富士さんの訳とあったので手にしてみました。中をのぞいて富士さんのあ

とがきでもあったら、文句なしに買いなのですが、それは残念。佐伯順子

さんによると富士正晴さんのこの現代語訳は昭和46年のものだそうです。

なるほど、この現代語訳について、富士さんは、何か書き残しているのかな。

ちょっとあたってみることにしましょう。

 

 

 

 

ここだけみたらみすずかと

 新聞の書籍広告の話題であります。本日は昨日のようにとんでも本のこと

ではなくて、当方にすればとても大事な内容の本についてであります。

 今朝の朝刊の広告の一部を切り取ってみました。さてこれはどこの版元の

ものであるかな。

f:id:vzf12576:20191122180535j:plain

 当方の眼を惹きつけたのは、もちろんこの真ん中のものであります(このほかにも

興味あるもの多いのです)が、まずは本日はこの広告のことを話題にしましょう。

左に武田百合子対談集とあって、その下には刊行記念対談 金井姉妹のものを

見ますと、これはすごいな力が入っているなですが、この本からでもわかるように、

この広告は中央公論新社11月の新刊案内です。

 それにしても、この三つの部分だけを切り取っただけでも、それぞれがそれぞれの

本にあわせた書体と雰囲気をだしていて、好ましいことであります。

特に真ん中だけをみたら、これはみすず書房の広告かと思ってしまいますね。その

ようなスタイルを確立したみすず書房の編集責任者 小尾俊人さんへの敬意が

この広告からも伺えることで、こうしたものがみすず書房幻戯書房以外のところ

からでるというのが出版業界の大変さを感じることで、大きな売上を期待できない

出版はお互いに協力しあって、小尾さんの志をつないでいかなくてはというような

ことを感じさせるものです。

小尾俊人日誌 1965-1985 (単行本)

小尾俊人日誌 1965-1985 (単行本)

 

  小尾さんはこれまで何冊か本を刊行しているのですが、もともと自分について

語ることは少ない人でありますから、その人となりについては宮田昇さんの本に

詳しいことです。

小尾俊人の戦後――みすず書房出発の頃
 

  当方は、「小尾俊人の戦後」に付録として付けられている「1951年日記」と

いうのを眼にして、そこに若き日の長谷川四郎さんとの交流などが描かれて

いて、とっても印象に残っているのです。それは繰り返さないことにしますが、

このあとではどのようなことになったのかなと思っておりました。

vzf12576.hatenablog.com 前回、当方が眼にしたのは「1951年の日記」のみでありますが、今回の

ものでは1965年から85年の日誌とあります。日記ではなく作業日誌のよう

なものなのかと思いますが、それでもこの間に片山敏彦著作集とか長谷川

四郎さんの訳詩集や「中国服のブレヒト」などがでていますので、それらに

ついて、小尾さんがなにか書いていないかなと気になっているのです。

 本日手にしていた「小尾俊人の戦後」にやはり付録として収載されてい

る月刊「みすず」編集後記 1961年11月号からの一部引用です。

「文明を、文化遺産というごとき客観的事物としてでなく、自己の生きる原理

として、把握しなおし、主体的な能動的なものとして、現実にはたらくものに

したい。

 われわれの言論と出版、教育と政治の核心はここにあると思う。あまりに、

小児病的権力主義が、はびこりすぎる現代の日本を、この骨絡みの業病から

救わねばならぬ。」

 半世紀も昔に編集者が残した言葉であります。編集者が駄目になっている

というよりも、最近のリーダーといわれる人間たちがより駄目になっているの

だなと思いながら、小尾さんが残した仕事をフォローすることになりです。

 

 

 

本日の新聞から

 当方が購読している新聞には、「訂正して、おわびします」という囲み欄が

ありまして、そこには本日の場合、次のようなおわびが掲載であります。

「20日付1面『安倍首相在職 最長に』の記事で、『51歳だった2006年9月、

戦後最年少で初の戦後生まれの首相として組閣』とあるのは『52歳だった』の

誤りでした。確認が不十分でした。」

 首相周辺とこの新聞はバトルの最中でありますので、このような間違いには

すぐにクレームがはいるのでありましょうね。

このようなおわびというのは、他紙においてはどのような扱いとなっているのか

とすこし気になりました。

 そのページからすこし眼を下げましたら、これはめったに見ることのない広告

がありました。そこには、次のような見出しがありです。

「11月13日付朝刊に掲載した書籍広告につきまして」

 一週間ほど前の書籍広告になにか問題でもあったのだろうか、それにしても

かなり大きなスペースでありまして、おっとこれの元になった広告はなんであろ

うと13日の新聞を探すことになりです。

 大きくスペースをとって広告が掲載されていたのは、下の本でありました。

広告には「シモンチーニ博士の奇跡 外科医として40年、ガンと闘って発見

した治療法! ネットの闇(デマと中傷)と闘い、訴え続けた真実!」とあります。

「ネットの闇(デマと中傷)と闘い」といわれると、エビデンス重視の現代医学の

立場からは、この広告に対して一言いわなくてはとなりますね。

イタリア人医師が発見したガンの新しい治療法 重曹殺菌と真・抗酸化食事療法で多くのガンは自分で治せる

イタリア人医師が発見したガンの新しい治療法 重曹殺菌と真・抗酸化食事療法で多くのガンは自分で治せる

  • 作者: 世古口裕司,トゥリオシモンチーニ
  • 出版社/メーカー: 現代書林
  • 発売日: 2019/10/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 そんなわけで「広告につきまして」ということになるのであります。この書籍の

広告に問題があったということで、それのいいわけでありますが、どのようないい

わけかといえば、次のようなことになります。

「この書籍の『広告』がシモンチーニ氏を『医師』と表示して治療法紹介している

ことには疑念があります。広告表現は広告主の責任においてなされるものですが、

『ガンは真菌(カビの一種)だ』などとする表現は媒体として十分な検討を行うべ

きでした。

 出版物の広告は、できる限りその表現を尊重していますが、掲載判断にあたって

は、内容に応じて慎重なチェックに努めてまいります。」

 どうやら、おさわがせらしい著者の、とんでも本の宣伝の片棒をかつがされて、

新聞としては悔みきれないということですね。

 新聞広告の掲載は各紙の判断でありますが、どこの新聞は断って、どこは掲載

し、どこは言い訳をしているかなんてのは、ちょっと知りたいことであります。

 

小田光雄さんと古本夜話

 本日に図書館の新刊棚を見ていたら、分厚い背表紙が眼につきました。

そこには「近代出版史探索」とタイトルがあり、著者は小田光雄さんであります。

近代出版史探索

近代出版史探索

 

  手にとって目次を見てみましたら、最初は「奇譚クラブ」が話題となるので

ありますから、格調高い近代出版史ではなくて、すこし道に外れた出版物にも

多くのページをさいているようです。全部で700ページほどのものですから、どの

くらい眼を通すことができるかですが、まあ興味のあるところだけつまみ読みして

もよろしいかです。

 この本は、小田さんがブログ「出版・読書メモランダム」のなかで「古本夜話」

として連載しているコラムの、初回から200回目までをまとめたものだそうです。

 http://odamitsuo.hatenablog.com/archive

 小田光雄さんの本は、当方のところにもあったぞと思って、図書館より戻って

探すことになりです。めったにないこと、これはすぐに見つかりました。 

図書館逍遥

図書館逍遥

 
古本屋サバイバル―超激震鼎談・出版に未来はあるか? 3

古本屋サバイバル―超激震鼎談・出版に未来はあるか? 3

 

  友達の高校同級生というのが小田さんの本を出した編書房主という関係で

「編書房」新刊がでましたら送られてきて、代金を振り込むということが続きまし

た。そんな関係で小田さんの本が、上記のほかにも何冊か集まることになった

わけです。

 まさかそれから二十年ほども経過してから小田さんの本を読んでみようという

ことになるとはです。

 ちなみに今回の本のあとがきをみましたら、小田さんの前著「古本屋散策」

で第29回「ドウマゴ文学賞」(選者は鹿島茂さん)を受けたのだそうです。

こちらの本は、図書館にはいっていたかな。

古本屋散策

古本屋散策

 

 

来年のリフィール確保

 大きな文具店へと行く家人に来年のバイブルサイズ手帳のリフィール

買ってきてもらいました。それこそバブル期にめちゃくちゃ売れたシステム

手帳でありますが、最近はスマホにとってかわられて、売り場もぐっと小さく

なっていることです。学生の頃から手帳を使っていて、字を書くのが好きな

こともあって、今も予定は紙の手帳で整理です。できるだけ同じフォーマット

のものを使い続けたく思うことから、ここ十年ほどはファイロファックス

見開き2週間というリフィールを使っています。これをバイブルのスリムサイ

ズに収納するとなんとかポケットにおさまります。

 本日に買ってきてもらったのはこれと、あとはバインデックスのデイリー

プラン12時間用です。こちらは日記用(表に出来事を記して、裏面に日記を

記するという使い方)でありまして、とりあえずは半年分は確保をしました。

これはほんと数年前までは一年分の日付を印字したものが売られていたの

ですが、残念なことに販売中止になりました。これはもう復活することはない

でしょうね。

 そういえば、あのバインデックス一年分ダイアリー(日付が印字されたもの)

は、リフィールの枚数を減らすためか土日で一枚というスタイルになっていま

した。さすが能率協会のものでありまして、これってまるでナンセンスでありま

すね。土日が一枚でいいというのは、普通のお役人か何かのライフスタイル

でありまして、仕事メインで使う時に、土日はなんにもしない人向けですが、

そんなことないよな。

 一時期、日記帳かわりに使っていた「クロワッサン手帳」というのがありま

すが、こちらは平日は半ページであるのに、日曜日は一ページがわりあてら

れていました。こちらのほうは売り出されてから20年以上になりますが、今も

健在です。クロワッサンの企画のほうがユーザーの気持ちをつかんでますね。

 本日の夜は絲山秋子さんの「逃亡くそたわけ」を読むことになりです。

絲山さんが病気のことを話題にしたという数少ない作品ですが、なかなか

面白く読むことができています。

逃亡くそたわけ (講談社文庫)

逃亡くそたわけ (講談社文庫)

 

寒いせいか、古いせいか

 当方のカレンダーで月曜日はパンを作る日となりです。

前日にぶどうからおこした酵母液と全粒粉を混ぜて中種をつくっておき、

本日の朝からパンこね(とはいっても専用こね機 レディスニーダーに

おまかせ)て、10時間ほど一次発酵して、夜になってからオーブンで焼く

作業となりです。

 本日もつかっているぶどう酵母駅は、先月におこしたものですが、日にち

がたっているせいか、それともあまりできがよくないのか、はたまた室温が

低くなっているからなのか、ちょっと膨らみが悪いのでありますね。前回に

おこしたぶどう酵母はすこぶる調子がよかったのに、これも天然酵母ならで

はでありますか。国産ぶどうは旬は過ぎたようですが、あとすこしは安価で

入手できそうですから、あと数回はぶどうで酵母をおこしてみましょう。

(ぶどうのあとは、りんごをつかうことになりますね。)

f:id:vzf12576:20191118215308j:plain

手前はライ麦、うしろは全粒粉パン

 先日は「本の雑誌」12月号を読むことになりです。

今回の特集は「アンソロジストを目指せ!」です。アンソロジストですから

アンソロジーを作る人ですね。今回の特集では日下三蔵さん、藤原編集室

などに取り上げられています。

 「私の夢のアンソロジー」というところには、こういうアンソロジーをまとめ

たいという各氏の目次が掲載です。これを見て、読んでみたいと思ったのは

競馬に関するものをあつめたアンソロジーを編んでみたいという藤代三郎

(こと目黒考二)さんのもの。

 藤代さんは十篇のエッセイをリストアップしているのですが、傑作なのは

最後におかれた「佐藤洋一郎 1992年天皇賞秋の予想」というものに

ついて書かれた藤代さんのコメント。ここでは肝心なところを省略しての

引用してみましょう。

佐藤洋一郎の予想コラムを読んで、そういうドラマがあることを初めて知

り、その馬から買ったが相手が抜けて馬券は外れ。それでも佐藤洋一郎

コラムを読んだときの興奮は覚えているからいまから10年ほど前、そのコラ

ムをネタにして現行を書いた。すると、そんなコラムはありませんでしたと

そのときの担当者が報告してきた。・・では私の記憶は何なのか。読んだこと

は間違いないのだ。」

 ということで、読んだことは間違いないのだが、どこで見たのかわからない

予想コラムの文章をアンソロジーにいれたいのだそうですが、こうして雑誌

で話題にしたら、それはこの文章ですよというふうに、どこかから情報が寄せ

られるでしょうかね。

本の雑誌426号2018年12月号

本の雑誌426号2018年12月号

 

 

嵐は去ったが

 ここのところ宿がとれない、飛行機便がとれないとの声が、札幌周辺で

あがっていました。時ならぬフィーバーは嵐御一行様によるものでした。

関心のない人は、なにがなんだかわけがわからないということですが、

このイベントはとんでもない経済効果があるようです。とはいってもこの

イベントは、今年限りであるようですから、これにかわるものはうまれるので

ありましょうか。4,5日続いた嵐は南方面に移動して、寒波はこのあたりに

まだ居座っています。

 今朝は起きたらうっすらと雪で白くなっていました。積もるほどではないの

ですが、いよいよ雪を心配する季節です。

冬にむけての庭仕事の最後は、地植えのバラに風よけをして、クリスマス

ローズなどに寒さ避けの覆いをすることになりです。本日の一番あったかな

時間帯にちょっと凍りかけている地面に支柱をたてて、それで袋掛けの作業

を行いました。まだ成長が十分でないものや、根っこに元気のないもの中心

ですが、これで無事に冬越しができるでしょうか。統治は冬季間でもあまり

雪が降りませんので、そのぶん地面の凍結がひどいのであります。

f:id:vzf12576:20191117153008j:plain

 あれこれとやることが多くて、自宅でゆっくりとできたのは夜となっていま

した。残り少なくなった「絲的ココロエ」を読むことになりです。

絲山さんは、たばこを吸ったり、パチンコなどにもはまったとあります。なかなか

若い女性としては、珍しいタイプの人であったようです。

「若い頃にはパチンコにはまった。そのときは、安全な範囲で遊んで少しだけ

見返りがあるストリーよりも、もっているお金のすべてをつぎ込んで最後に一発

逆転で勝つというストリーを好んだ。そのほうが脳内の報酬ーつまりご褒美の

ドーパミン がたくさん出るからである。  

 恋愛についてもそうだ。私が少し不器用で、世間に合わせることが苦手な人に

惹かれるのは、欠点よりも魅力が大きいと思うからだ。」

 パチンコにはまって、ダメンズ好きとなると、これはきびしいね。