朝にテレビを見ていましたら、本日のトークの時間は、最近売れている
小説の作者である芸人さんがゲストでありました。もちろん当方は読んで
おりませんが、最近の芸人さんは、養成所を経ている人が多く、そこでは
コントとか漫才の台本作りをたたきこまれますので、その延長のところで、
小説を書くというのは、まるで不思議ではありません。
まずは、自分の身近に題材をとった小説でデビューしてとなりますが、
問題は、自分の身近な話題から離れたところでの小説を創作していくこ
とができるかでありますね。
本日のゲストの版元は文藝春秋社となるのですが、各社ともに芸人さん
にエッセイを書かせ、うまくいけば小説にということでアプローチしているの
でありましょう。
本日には「波」と「ちくま」が届いたのですが、「波」の表紙も芸人さんで
ありまして、新潮社から新刊をだされた方であるようです。今月の「波」に
は刊行記念特集というのが組まれていました。(ヘイト本をだして叩かれる
よりは、芸人本をだすほうがリスクは低いか。どちらにしても昔の新潮社で
はあまり考えられないことです。)
そう思って「ちくま」を見てみましたら、こちらの巻末の新刊案内には、
加納愛子さんの「パルト」というエッセイ集がありまして、これの紹介には
「大人気『イルカも泳ぐわい』に続く、Aマッソ加納、最新エッセイ集!」
とあります。今は芸人というよりも、文筆家として有名になっていて、
そのうちに加納愛子さんというのは、昔はお笑いの人だったのですねと
いわれそうです。
芸人さんの本であっても、読書への入口の敷居をさげてくれるのであれ
ば歓迎することです。
今月の「ちくま」斎藤美奈子さんの「世の中ラボ」は「ネットとAIの時代に
読書の復権はあるのか」というタイトルであります。
この文章の最後のところは、次のように書かれています。
「いずれにしても、タダで、しかも超お手軽に情報が手に入るインターネット
時代において、絶望的なほど本の旗色は悪い。生成AIの普及はこの流れを
加速させるだろう。それでも読書の復権を目指すのか、負けを認めて撤退す
るのか。私はもちろん復権を願っているが、有効な打開策は思いつかない。
本も読書も存亡の危機にあることを、せめて認識することが最初の一歩なの
かもしれない。」
芸人による本が、読書復権の有効な打開策となるかはわかりませんが、
それでも現在は国会議員となった人気作家のヘイト本よりは、芸人本のほう
がずっと希望が持てることであります。


