ブックオフから新本屋へ

 本日は午後から家人の足の確保で外出でありました。プールへといくと

いうことで、次の迎えまで二時間ほどありましたので、その時間を使って

本屋めぐりをすることになりです。道なりに行きましたら、先にあるのが

ブックオフで、ここではワンコイン予算で均一本を見ることになりです。

本日に確保したものと、ここで立ち見した本であります。

原風景のなかへ

原風景のなかへ

 

 比較的新しい安野さんの画文集です。北は岩手県までで、北海道の風景が

ないのが残念ですが、こういうのが均一で入手できるとはね。

塔和子 いのちと愛の詩集

塔和子 いのちと愛の詩集

 

  塔和子さんのものは、編集工房ノアの目録で目にして気になっていたの

ですが、なかなか購入することができずでありました。

今年に「ハンセン病療養所」についての本を読んでおりまして、その本でも

療養所の文芸活動のことが書かれていましたが、塔和子さんも瀬戸内の「大

島青松園」で暮らしていたのでした。

この本の帯には、吉永小百合さんの文が掲載されていました。吉永さんが

推薦するとすこしは売れるのでありましょうか。

それにしても塔さんは1943年14歳の時に病気がわかって、大島青松園に入所

して、1952年23歳のときには完治するのでありましたが、ずっと大島の施設

で暮らすことになりです。これは当時の隔離政策が影響していたものです。

 本日は、この本のなかをぱらぱらとのぞくことになりです。そのなかから

「嘔吐」という詩の部分を引用してみます。

「 ある療養所では

  義眼を入れ

  かつらをかむり

  義足をはいて

  やっと人の形にもどる

  欠落の悲哀を笑ったという

  笑われた悲哀を

  世間はまた笑ったという

  笑うことに

  苦痛も感ぜず

  嘔吐ももよおさず

  ごく

  自然に笑ったという   」

 

 そしてここで立ち見したのは開高健さんのエッセイ集。

開高健ベスト・エッセイ (ちくま文庫)

開高健ベスト・エッセイ (ちくま文庫)

  • 作者:開高 健
  • 発売日: 2018/05/10
  • メディア: 文庫
 

  たしかこの文庫に収録であったと思いますが、開高さんのエッセイ

「心はさびしい狩人」をちょっと見てみることにです。当方はマッカラーズ

の小説タイトルを、このエッセイで知ることになったのですが、もちろん、

まったくマッカラーズの小説とはなんの関係もなしで、タイトルだけを借り

たという形です。

 たしか岩波新書「私の読書法」に収録のエッセイのはずでありまして、これ

を読んで開高さんに興味をもったのでありました。古い話であります。

 ということで、ブックオフから新本屋へと行ってみましたが、本日も村上

春樹訳「心は孤独な旅人」は見つからずでありました。当方には縁がないの

でありますかな。