先日にライブに参加のためにでかけた時に、大きな本屋に立ち寄ることが
できました。この時に、一度手にしてみたいと思っていてものを何冊かのぞく
ことになりです。当方の住む街の本屋には入らないものばかりで、図書館が
頼りですが、そこにも入らないものは、こうしてでかけた時にチェックすること
にです。どちらにしても、買うことはできないのでありまして、立ち見できただ
けでもよろしいかなです。
当方の街の本屋で出会うことができなかった新書も確保することができ
ました。最近は新書の種類が多いこともあって、文春新書とか集英社新書
クラスであっても、新刊を見かけないことがあります。
そんなこともありまして、大きな本屋さんへと行った時に、新聞広告で刊行
を知った新書を探すことになります。
今回の新書は、次のものでありました。
それにしても、このくらい地元で入手したいものです。大きな本屋へと行きまし
たら、これがどっと積まれているのですが、どうもあの雰囲気では売れていると
いうふうには見えませんでしたので、売れないものは注文するか、大きな本屋で
となるのですね。
この本の成り立ちは、集英社「青春と読書」に2022年から2024年まで連載
したものをベースに、それに加筆と増補して一冊にしたのだそうです。その昔は
本屋さんへと行きますと、「青春と読書」をもらうことができたのですが、最近はま
るで見かけることがありませんので、四方田さんの連載があることは知りません
でした。
この新書で取り上げられているのは26人の女性で、著名な方からまるで無名
の人まで、年齢も幅広くであります。当方の気になる人が何人もいらして、彼女た
ちについて、四方田さんがどのように書いているのかが大いに気になりました。
まずは、「矢川澄子」さんについて読んでみることにです。そのなかの一部を
引用です。
「彼女が亡くなって20年以上が経ち、彼女は今では全世界の少女の味方、頼りに
なるお姉さんといったイメージのもとに受け止められているが、わたしにはその
優しげで慈愛に満ちた表情の裏側に、サド=スウィフト的なる人類への悪意が
隠されているように思えてならない。この悪意が何に由来しているか、わたしには
推測がつかないわけではないが、それはここには書かない。あまりに残酷すぎる
からだ。」
「ここには書かない」とあるのですが、どこかに書いているのかな。四方田さんは
たくさん書いているので、これまでも矢川澄子さんについて書いていても不思議で
はないのですが、すぐには思いつかないことです。(このように記してから、ユリイカ
の「矢川澄子 不滅の少女」を開いたら、ここに「ジョナサン澄子」という文章が
ありました。)
たぶん、「推測がつかないわけがない」といっているのは、「ジョナサン澄子」とい
う文章のなかに、そのヒントがあるのでありましょう。