図書館から「町の本屋という物語」という本を借りてきました。
惜しまれながら昨年4月に閉店した鳥取市にあった定有堂書店の店主が
書いた文章を収録したものとなります。1948年生まれの方が、1980年に
移住した鳥取市で新規で開業した書店ですが、いまから40年も前のことで、
しかも鳥取市ですから、セレクトショップなんて洒落たものではなく、町の本屋
としてのスタートです。
この頃から町の本屋さんの経営はどんどんと大変になっていったはずであ
りますが、そうした時代に新規で参入したというのが珍しいことです。
1980年頃といえば、あちこちの町で駅前再開発などがあって、そこにデパート
とか大手スーパーが入ってきて、それまで町の小さなお店が太刀打ちできなく
なった時代ですね。
当方の仕事場にも、結婚した連れ合いが町の本屋の娘で、そっちの家業を
継ぐために、安定しているといわれる仕事を辞めた人がいました。町中心部の
本屋ではなく、あれでやっていけるのかなと思っていましたら、定期の雑誌等と
注文を受けた本の配達、教科書販売と学校や図書館納本などでなんとかやって
いけるとのことでありました。
その本屋さんは、その頃が一番良くて、今も店は残っていますが、最近はどう
なっているのでありましょうか。店主が、あまり仕事熱心でないこともありまして、
残念ながら付き合いはなくなってしまいました。
1980年頃に、この町にあった本屋さんは、ほぼほぼ創業者から二代目に
変わっていく頃でしたが、この町にもちょっと大きな資本の本屋さんが進出して
きて、そうした本屋も長続きはしなかったのですが、次から次へと新しい店の
進出があったことで、町の本屋さんは息の根を止められてしまいましたです。
当方が足を運んでいる本屋さんは、本店は昔からの町の本屋で、本と文房具
を販売していて、当方の行きつけはスーパーの入っている建物の一角にある
支店となります。
こういう店が姿を消したら、町が消えてしまうと思うのでありますが、今はそう
思わない人のほうが多くなっていって、それでシャッター通りが増えるのですね。