そういう風に動いていくか

 新潮社「波」3月号が届いておりました。表紙は、なんとガルシア・マルケス

ありまして、これはいよいよ「百年の孤独」の文庫本が発売になるのかと、巻末の

3月文庫リストを見たのですが、いまだでありました。

 マルケスの小説「出会いはいつも八月」の宣伝をかねてのことでありました。

3月にこの作品がでるということは、文庫化されるのはいつのことになるのでしょう。

いまだ自宅内で「百年の孤独」を発掘することができずにいる当方は、近々にでる

のであれば、再読するのは文庫が発売になってからと思っているのでありますが、

さて、どう考えればよろしいのでしょう。

 この文庫は多くの売上が期待されているのでしょうから、それが新潮社社員の

ボーナスのいくらかにでも貢献するとしたら、5月か6月ということになるのかな。

(その昔、全盛期の松任谷由実さんが11月にアルバムを発売して、それが東芝

EMI社員のボーナスの原資になっていたという話がありましたです。)

 これはこれで、今月の「波」の筒井康隆さんの文中に、次のくだりがありです。

「二十四日に・・佐藤正午『冬に子供が生まれる』が送られてきたが、風太郎受賞作

だった『鳩の撃退法』を知っているので畏れて手を出せない。これが候補になれば

谷崎賞の選考委員、辞任せざるを得まいね。」

 このところは、どのように読めばよろしいのでしょう。

 当方は筒井さんについて詳しくないので、すこし検索をかけてみることにです。

 筒井さんは今年9月で90歳になるのとのことですが、もちろん現役の作家さんで

あって、引用部分にあるように山田風太郎賞谷崎潤一郎賞の選考委員をしている

とのことです。

 「鳩の撃退法」の山田風太郎賞の時には、この作品を一押ししたとあります。それ

から芥川賞を受けた「月の満ち欠け」があって、今回の「冬に子供が生まれる」となり

ます。 

 前回の選考から十年が経過して、「鳩の撃退法」を読み込んだ時の大変さを思い

起こしたのでありましょうか。細部まで計算されて、けっこう読むのに時間がかかる

佐藤正午作品を自分の楽しみのためではなくて、選考委員として読むのは体力的に

しんどいので、委員としての務めを果たせないので、辞任ということでありましょうか。

 今回の佐藤正午さんの新作が、そのようにつながっていくなんて、当方はまるで

思ってもいなかったので、勉強になりましたです。

 谷崎潤一郎賞は、中央公論社がやっているのですが、中央公論社から刊行の

小説があまり受賞していないという立派な見識のものでありまして、特に当方が

若かった頃の受賞作には歴史に残る長編小説があって、印象深いのであります

ね。

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