見事に縁がないことで

 「本の雑誌」3月号の特集は、「メフィスト賞を探検せよ!」というものであります

が、講談社がやっている「メフィスト賞」は、もう30年ほどの実績があって、受賞作

品は64作になるのだそうです。

 今回の特集では、その全受賞作品が紹介されているのですが、見事に一作も

手にしたことがありませんでした。縁がないことだよなと思うのですが、読んでは

いないものの、この賞があるのを知ったのは、佐藤友哉さんのおかげでありまし

た。

 佐藤友哉さんは、当方が高校時代を過ごした町の、別の高校の出身でありまし

て、その高校卒業生では一番有名な人でありました。ちょうどその頃、高校同期が

その高校の社会科教師をしていまして、あまりやる気のない生徒を相手に苦戦し

ておりまして、こういう小説家の卒業生がいるそうだといいましたら、そんな話きい

たことないなと返ってきました。 

 この世の中には「メフィスト」という小説雑誌があって、これが賞を出していて、

それを佐藤友哉さんが受けたということを、十年以上前に認識したのでありました。

 ということで、本日の話題は、そのメフィスト賞の仕掛け人でありました編集者の

宇山日出臣さんの話題となります。

今回の特集の根っこのところには宇山さんへのオマージュがあるのですから、あち

こちに宇山さんが登場することになります。

 宇山さんについて、ほとんど知らない人でありましたら、まずは戸川安宣さんの

「宇山さんとぼく」を読むことをおすすめですね。

宇山さんは、ほんと伝説的な編集者でありますからして、新聞などでもとりあげら

れることがあって、当方も、この編集者さんのおかげを被っているのだなと、記事を

目にして知ったことです。

 この場で宇山さんのことを最初に話題にしたのは、2017年5月のことでありま

した。やはり「本の雑誌」で取り上げられていたのですね。

vzf12576.hatenablog.com 入江敦彦さんは「分冊になった新装版は、あんなものは『虚無への供物』では

ない。宇山日出臣の魂がこもったオリジナルを入手されたい。」 といっているの

ですが、最近はそのオリジナル文庫を見かけることがなくなっていますね。

「虚無への供物」を読まれる方は、ぜひともオリジナルを入手されたいです。

 宇山さんのことが気になりましたら、次のものもあることです。