どこかにあるはずだが

 本日も探し物をしておりました。本日は家人が外出しておりましたので、久し

ぶり台所の地下に降りることにです。ここには、古いスクラップとか出版社のPR

誌などが、乱雑におかれています。

 そのなかに、探している新聞の切り抜きなどがあるのではと思ったのですが、

もちろん、そんな簡単には見つからずで、これの探索は終了したのであります。

 先日に深夜叢書社の代表でありました斎藤慎爾さんが亡くなられたと知人から

いわれました。彼は美空ひばりさんの本を書いた人だよねと、当方に伝えてくれ

たのですが、彼が購読している新聞のほうが、早くに報じていたようです。

 当方は斎藤慎爾さんというと大学を卒業してから、アパートの一室で出版社を

立ち上げた人という認識でありました。1969年くらいに新聞に紹介されてい

たのを見て、このような人がいるのかと思いました。

 その時に斎藤さんのコメントに中井英夫さんのお世話で中井さんのアパートを

借りているのですが、中井さんの「虚無への供物」が近々に復刊されるというよ

うなことがあったと思うのですよ。

 これは当方のおはこのようなネタであるのですが、最近はその記事を確認もで

きていなくて、その記事にはどう書かれていたのだろうかと思うのです。

齋藤さんが文中で言及している中井英夫さんの本は、三一書房からでた作品集で

ありますが、当方はでてすぐに購入したのですが、たしか二刷からはこれの編集

として斎藤慎爾さんの名前がのるようになったのではなかったかな。

 これはちょっと確認をしてみようと、創元ライブラリ版「中井英夫全集1」を

取り出してくることにです。これの本多正一さんの解説には、斎藤慎爾さんが

三一版「作品集」のための内容見本(当方は持っておりません)に寄せた、斎藤

さんの「刊行のことば」が収録されていますほか、「作品集」の「作品ノオト」

の最終段落は後に改稿されたとあるのでした。

 改稿された(たしか二刷以降のもので)ところには、次のようなくだりになり

ました。

「何よりこの作品集の編集と刊行を強力に推進してくれた斎藤慎爾氏、装幀に心

を砕いていただいた武満徹氏、それらを具体的に豊かに実らせてくれた、柴田勝紀

氏をはじめとする三一書房の若いエネルギーに、面を伏せながらも熱い握手を求め

たい気がする。もとより、未知の読者にもまた。」

 この4年後には、宇山秀雄さんによって講談社文庫に入ったのですが、当方が

「虚無への供物」を読むことができたのは、斎藤慎爾さんのおかげであったのです

ね。