こういう終わり方であったか

 文春文庫に入ったので、磯崎憲一郎さんの「日本蒙昧前史」を再読することに

です。元版となる単行本を図書館から借りて読んで、これは傑作と思い、そのうち

読み返そうと思っておりました。

 この小説が書かれたのは2019年で単行本となったのは2020年6月でありま

した。当方が借りて読んだのは2020年8月のことでありまして、それから3年半で

ありまして、日本だけでなく世界全体が蒙昧期に入ってしまったようであります。

 当方が最初に読んだ時は、当時の世情にだいぶん引っ張られていまして、その

ような感想を記しているのでありました。

vzf12576.hatenablog.com もちろん、このような為政者を生み出したというのは、我々の蒙昧化のせいと

思われますが、もちろん蒙昧というのはなにも政治だけの話ではないですね。

 当方は、この小説を読み返して、最後に登場するエピソードのことをほとんど

忘れているのに驚きました。

 蒙昧化する世相に異を唱えた人の存在であります。この人物がいた事はも

ちろん知っていたのですが、この方がこのような主張をしていたとはです。 

一度読んだだけで、読んだつもりになっていてはだめでありますね。この場で

読み間違いもそのままに記録しておきますと、あとになってからわかってなかっ

たなと思うのであります。

 当方がこのブログを始めたのは2007年1月のことでありまして、50代も半ば

を過ぎて、これからの読書生活を充実させることを目論んで取り組みはじめまし

た。おかげで、なんどか元気で暮らすことができていると思いたいことです。

 ネット社会になって蒙昧化に拍車がかかっているようですが、そういう世界に

は近づかないようにしなくてはです。