本日の新聞には芥川賞・直木賞の受賞者が紹介されていました。これをきっかけ
に大きな作家になってほしいものですが、どうでありましょう。
芥川賞を受けた人は31歳で、直木賞は41歳であります。ほとんど当方の子どもより
も若いことでありまして、これから順調に作家として成熟していけば、当方が後期高
齢者となっても、自分より若い年代の作家さんに楽しませてもらえるのでありますが。
昨日に話題とした山田稔さんは御年90歳でありますが、三十代で作家デビューし
て、最初の小説集「幸福へのパスポート」を上梓したのは1969年で、細く長くでの
作家生活は50年をこえたようであります。こういう生き方もあるのですよね。
自分よりも若い作家で、長く付き合えそうな人を探しているのですが、今のところ
ほとんどうまくいってません。
こういう時にはへたな鉄砲でありまして、読めるかどうかわかりませんが、図書館
で目についたものを借りてみるに限ります。
そんなことから借りているのは、次のようなものです。
まだ若い作家さんですが、すでに中堅でしょうか。書店では作品を見かける
のですが、これまで読んだことがなしです。現在も新聞小説を連載中ですが、
当方には新聞に掲載の小説を読むという習慣がないので、どのような作品で
あるのかわかっていません。
ちょうど手にしたお正月の新聞で、この方と高橋源一郎さんが対談している
のを読んで、すこし興味がわきました。そんなわけで、目についた雑文集を借り
だしました。
保坂グループの作家さんという認識であります。保坂和志さんとはまるで
相性があわずで、ほとんど読むことができていませんが、保坂さんよりは、その
お仲間の磯崎さんのほうが親しめるのではと、これを借りてみることにです。
そういえば、磯崎さんは朝日新聞で文芸時評を担当していて、それを読んで、
ここで話題としたことがありました。その昔の新聞文芸時評全盛時代には、これ
だけでまとめられて一冊になったこともあるのですが、磯崎さんの今回の本に
は、文芸時評がまとめて掲載されていて、これを読むだけでも楽しいかな。
本日は、これから磯崎さんが2017年10月の文芸時評に記した結語を引用
です。
「二千に近い応募作の中から受賞作に選ばれ、作家デビューすることは大変な
ことのように見えるが、本当に大変なのはこれから書き続けていくことなのだ。
だが、その苦労こそが芸術家の幸福でもある。自分と、自分の作品を心待ちに
してくれる読者を信じて、長く書き続けて欲しい。」