パン作業をしながら

 本日はパン作りの日でありましたので、午前9時から午後8時半くらいまで

断続的に台所にたっておりました。本日は自家製酵母の出来がまずまずでありま

したので、ほぼ予定通りの時間で作業は進行です。

 一次発酵はほぼ6時間で、ベンチタイム30分、成型発酵は2時間弱でありま

した。二斤型の山型パンを二本に、ロールパン16個を焼き上げて、本日の作業を

終えることにです。

 パン種を発酵させている間は、何もすることがないので、本日は図書館から借り

ている本を手にしておりました。もちろん、読みやすいものであります。

49冊のアンアン

 当時の平凡出版から創刊された「アンアン」のアートディレクターを務めた

堀内誠一さんの仕事を、編集部員であった椎根さんが振り返るという一冊です。

編集部内の事情とか、社内のあれこれなども、椎根さんの側から書かれていて、

そのような興味から読むことができるものです。

 「アンアン」創刊は1970年3月とありますので、当方はちょうど大学進学

が決まった頃であります。10年前とは比べるべくもなしですが日米安保をめぐ

る反対運動があったり、いまだ政治の季節は続いていて、そんな時に「アンアン」

は誕生したのですね。

 この雑誌の広告を目にしたり、耳にしたことはありますが、当方の周りの人に

「アンアン」の読者さんはいなかったように思います。

 この椎根さんの本を読みますと、ずいぶんと新しい試みがなされていたことが

わかるのでありますが、当時の当方のアンテナには、まるでかかってきませんで

した。

 それにしても、「アンアン誌は創刊からずっと赤字だった。」とありますが、

とにかくとんでもなく予算をかけてページを作っていますので、それも納得する

ことです。

 しかし半世紀もあとになって、このような本が成立するのは、当時の才能ある

写真家やデザイナー、モデルさんたちに予算を自由に使わせて制作にあたらせた

ことによりますね。

 広告が集まらず、雑誌も売れなくなっている、この時代には、もうこのような

雑誌を作ることは出来ないですね。

 椎根さんの本には、見開きページを中心にして、それを担当した写真家、服飾

デザイナー、モデルなどの名前が書かれていて、テキストを担当した詩人、作家

の名前ものっていました。

 ここには、矢川澄子さん、岸田衿子さんなどの名前があって、一度だけ工藤直

子さんの名前を発見です。

 工藤直子さんは、どのようなものを書いていたのでしょうね。

父の時代・私の時代 ――わがエディトリアル・デザイン史 (ちくま文庫 ほ-27-1)