街を歩いていたら本屋に

 街歩きの楽しみは知らないまちを歩いているときに本屋を見つけて、そこに

立ち寄ることでしたが、その昔には普通にあったことが、最近はほんとにかな

わなくなりました。

 当方にすればまちが消滅しかけているのではと思うのですが、最近の若い人

にとってはまちというのは、商店街とかではなくて、ショッピングモールと

なっているのでしょう。

 先日にブラブラと歩いていて、まるでまちの本屋を見出すことができず、結局

は老舗の大型書店に立ち寄ることにです。久しぶりに品揃えのよろしい店に入っ

たのでありますが、時間が足りないのと懐の具合、そしてLCCの持ち込み荷物の

重量制限のこともありまして、安価なものばかりを買うことになりです。

 その中で、これが入手できてうれしいなと思うものを、まずは取り上げることに。

 当方は九州とか関西から北海道の仕事や学校で来た人に親近感を感じるので

ありますね。野呂邦暢さん、佐藤正午さんがその代表的な人でありまして、こ

れに当方が大学の時に出講してきていたドイツ語教師が加わることになります。

 数年前に訃報を知ってから、興味をもって読むことになりました赤染晶子さんも

そういうくくりのお一人となりです。

vzf12576.hatenablog.com  先日にyomunelさんのページを拝見していましたら、今年一番の事件は赤染晶

子のエッセイ集「じゃむパンの日」がでたこととありました。

 この方のおすすめの本は、当方に向いているようだと思い込んでいることもあ

りまして、この本を是非とも読んでみたいと思ったのでした。

いかにも小さな版元からのもののようで、この記事を見たときにはどこで入手で

きるのかと思いましたが、その本が老舗の大型書店で見つかりましたので、あり

がたく買わせていただきました。

 yomunelさんは、「京都新聞の連載とか全部本になればいいのにとずっと願っ

ていたのでめちゃくちゃ嬉しい。」と書いていますので、その連載などを見てみ

ることにです。 

 ここには大学院生活を過ごした札幌についてのエッセイなどもあって、それを

読みますと北海道に生まれて、今も暮らす当方はうれしくなるのです。

 それと同時に、神経質そうで暗い感じの人という当方の先入観は吹き飛ぶので

ありました。

 北海道に関しては、次のようなくだりほか多数ありで、これはうれしい。

「小説の舞台を必ず京都にしている。わたしは京都で生まれ育った。学生時代、

北海道に住んだ。北海道はわたしにとって『光』だった。

 北海道の夏は眩しい。風鈴がすごい。地下鉄の列車内には吊革と同じようにず

らりと風鈴がつるしてあった。その光景だけでも圧巻である。」

 最近の札幌地下鉄に風鈴が吊られているのかどうかはわかりませんが、北海道

に「光」を見出してくれたのはうれしいな。

 ちなみに京都は「影」で、赤染さんはそれが好きと書いています。北海道を離

れて京都で暮らす当方の家族は、これを読んでどう感じるでありましょうか。