気がついたら七夕を話題にするのを忘れておりました。7日から8日くらい
の話題であります。もうずいぶんと昔に亡くなった方について、一年に一度だけ
思い出すことにするのでありました。
自分の親族でありましても、亡くなって何十年も立ちますと、祥月命日がいつ
であったのかなんてわからなくなるのが普通のことでありまして、没後弟子を
名乗った西村賢太さんがむしろ普通ではないのでありますね。
この一年くらいにとても話題になったことに、若い女性タレントさんへのセク
ハラ(というよりも性暴力)の告発がありました。
たぶん、うんと昔からそうことはあったのでしょうが、それは許されないと声を
上げることができるようになったのは、ごくごく最近のことになるようです。
昨日に届いた「本の雑誌」8月号には、次のように書かれています。
「2008年に『シナリオ』の別冊で出た『白坂依志夫の世界』というのは絶版で、
定価二千円なのに古本屋で四千五百円くらいする。これも買ったんだけど、すご
いよ。女優との肉体関係を実名で書いている。『誰々は俺とやる前に誰に仕込ま
れた』とか。」
白坂さんの本は2008年でありますけど、この時代までは武勇伝のように語られ
るのに違和感がなかったのでしょうね。そうした女優さんとの関係のなかに、言う
ことを聞けば、役につくことが出来るようにしてあげるからというのがあったのか
どうかわかりませんが、多くの場合は力関係で弱い人が泣き寝入りしていたので
ありましょう。
そういうのが一気に吹き出したのが、この一年でありまして、特にひどい事例に
あっては業界から追放のような状態になっているのですが、それまでがあまりに
もひどすぎたということでしょう。
そういえば、その昔の日本映画界のドンの一人は、「女優を愛人にしたのでは
なく、愛人を女優にしたのだ」といいましたが、そういう時代がありました。