本日にネットをみていましたら、西村賢太さんが急逝したと報じられていま
した。タクシーのなかで具合が悪くなって、そのまま亡くなったとのことです
が、決して健康に気をつけて暮らしていたとは思わないものの、それでもあまり
にも早すぎないでしょうか。
西村さんの作品に馴染んでいる人であれば、西村さんは完璧な藤澤造全集を
作り上げるために、自分の生活のすべてを注いでいる感がありまして、これを
まとめるまでは死ぬわけにはいかないと思っていたでありましょうに。
当方は西村さんのそんなに熱心な読者ではないのですが、ここのところ西村
さんは「本の雑誌」に「一私小説書きの日乗」を連載されていることもあって、
毎月それを楽しみに拝見しておりました。
先月に届いた2月号にも、昨年12月10日の記事として、「本日は、夜以降
藤澤清造の資料整理に費やす」とありました。
西村賢太さんの急逝で、この仕事はどうなるのでありましょう。こんなに早く
亡くなるとわかっていればですが、こればっかりはどうにもならないことです。
小説家としての西村さんは、このあとにどのような新境地を開かれるのかなと
楽しみにしてもおりましたが、マイナーな私小説作家たちへの造詣も深くて、
その方面でも期待が大きかっただけに、本当に残念なことであります。
すごい人がいると西村さんの名前を知って、十四年であります。