本日は日中はおひさんがでていましたので、ストーブを消しても過ごすことが
できました。これは日中の気温はプラスかなと思いましたら、これまでの最高
気温がマイナス4度ということですから、ガチガチの真冬日です。
これでありますと、屋根の雪は溶け出してどさっと落ちてくることもなしのよ
うです。かなり軒から長く突き出ている氷を含んだ屋根の雪ですが、下から見上
げながら、落ちる時には問題が起きないように配慮してくださいやと屋根に声を
かけることにです。
1月も明日までと残りが少なくなりました。読み続けているプルーストの小説
の第五巻は、あと50ページほどになりまして、これは今月中に読んでしまいた
いと、他のものは後回しにして読むことにです。
この巻は、全体のなかでは読みやすいほうということになっていますが、それ
でもほとんど筋はあってなきがごとくでありまして、目は文字を追っていても、
それがさっぱりと頭のなかに定着していかないのでありますね。
それでいきますと、次のような下りには思わず読み返すのでありますね。
「こんな女がどんな生涯をおくり、どんなことを考え、どんな過去をもち、どんな
男に身を任せようと、すべて私にはどうでもいいことで、たとえ女からそんなこと
を語り聞かされても、私はただ儀礼上それを聞くだけで、ろくに耳にも入らなかっ
たにちがいない。ところがサン=ルーの不安と苦悩と恋心は躍起となってそんな女
をー私にとっては機械仕掛けのおもちゃにすぎないものをーわざわざ無限の苦しみ
の対象とし、生き甲斐そのものにしているのが感じられた。」
「こんな女」といっているわけですから、けっして敬される人ではないのですが、
この時代には、恋愛の対象としてこうしたココットといわれる女性たちを選び、そ
の人たちの歓心をひくために、ものすごく貢いだのでありますね。
それについては、次のようにありです。
「きょう、あの子が優しくしてくれたら、贈りものをして喜ばせてやるんだ。
あれがブーシュロンの店で見かけたネックレスでね。いまのぼくには少々高くて、
三万フランもするんだ。でも、かわいそうにあの子には、人生でそれほど楽しみ
があるわけじゃないのでね。きっと大喜びするよ。以前からこのネックレスのこ
とを話していて、それを買ってくれそうな人がいる、なんて言っていたぐらいだ
から。」
訳者の注によりますと、この三万フランというのは、約1500万円とありま
す。貢ぐといえば、このくらいは突っ込まなくてはいけないということで、なん
ともはやでありますが、今も似たような話はあるのでしょうか。当方が知らない
だけなのかな。