あと10ページほどだが

 本日で11月も終わりとなります。今月中には終わらせておきたいと思って

いたことで庭仕事とか、年賀状にかわる欠礼はがきなどはなんとか、完了した

のですが、こと本を読むことに関しては、まったく振るわないことです。

(買うのは、そこそこなのですが。)

 ということで、本日中にあと10ページほどとなった「花咲く乙女たちの

かげに」を読んでしまうことにします。岩波文庫版で「失われた時」第四巻と

なります。

 ねちっこいプルーストの文体を、吉川さんが日本語にしているのですが、な

かなかすっーと頭にははいっていかないのですね。たとえば、こんな感じに

なのですが。

「頬の色合いは、紫がかったバラ色のシクラメンのようになるときもあり、

ときに頬が火照ったり熱をもったりして、ある種バラ色が暗い深紅、ほとんど

黒に近い赤になることもあり、そんなときにはその病的な体質を想って私の

欲望も卑しく官能的なものになり、アルベルチーヌのまなざしもはるかに背徳

的で不健全なものとなる。」

 昔のお笑いでありましたら、わかるっかな、わからないだろうなでありまし

て、「欲望卑しく官能的」を「背徳的で不健全」が受け止めれば、その先に

あるものはですが、そうした読み手の期待に応えることは、まったくなしで、

「私がアルベルチーヌのうちに眺めた存在はあまりに多様であり」とつながっ

ていくことになりです。

 ほんと、こんな小説ってありかよです。同時代の読者たちは、このプルースト

の作品をどのように読んだのか、気になるところです。

 「プルーストを読む」というような本はたくさんあるのでしょうが、それに

は手を出さずに、もうすこし「花咲く乙女」を読んでみることにしましょう。

 本日に届いた「図書」には、青柳いずみこさんがパリのサロンの物語という

ことで、プルーストと小説のモデルの女性のことが書かれていました。