岩波少年文庫のあゆみ

 岩波少年文庫は1950年創刊で、昨年で70年となっているのですね。

ほぼ当方の年齢に重なりますが、当方がこのシリーズを手にするようになった

のはずいぶんとあとになってのことです。

 そういえば、今から十年ほど前には岩波少年文庫60周年ということで販促が

行われていて、そのときにもこの場で話題としておりました。その時の話題で

はさらに十年ほど前にでた「なつかしい本の話」を取り上げておりました。

vzf12576.hatenablog.com この十年くらいで少年文庫で買った本は何冊あるのかなと思うことです。

新刊で買ったのはアーサー・ランサムくらいでしょうか。

 一番最初に手にした少年文庫のものは、父親が買ってきたものでしたが、

どうしてそれを買ってきたものか、よくわからないというような地味な一冊

でありまして、今なんか誰も読む人はいないでしょう。(当方の兄弟のうち

の一人くらいは読んでいるかもしれません。)

 この本について説明されている小文から引用です。

「勉強嫌いのヴィーチャがなぜ自分から勉強するようになったのか。創刊期

ソビエト(現ロシア)の作品も多かった。」

 引用したくだりを見ますと、2つのことに気がつきました。

一つは、なぜ父が、この本を買ってきたかでありまして、それは自分の子ども

に勉強嫌いがいたからでありますね。

それにもう一つ、創刊期にはソビエトの作品が多かったということです。1950

年に創刊で、「ヴィーチャと学校友だち」は1954年刊行ですから、まだ初期の

企画となりです。

 先の戦争が終わって10年ほどでありますが、スターリンが亡くなったのは

1953年でありましたが、まだまだソビエトロシアは人々の希望を集めていたと

いうことがわかります。スターリン批判は1956年とのことですし、ロシア連邦

の崩壊は1991年のことですからね。

 さすがに現在のカタログからは「ヴィーチャと学校友だち」は消えているよう

であります。