岩波少年文庫創刊60年 5

 「岩波少年文庫」創刊60年となったのを機に記念新刊とか、リクエスト復刊がでる
のですが、60年というのは、少年文庫が還暦をむかえるということでありまして、
その文庫を読んで育ったこどもたちも歳をとっているということであります。
 今回のおすすめブックガイドには、荒井良二さんほかが、「わたしの好きな少年
文庫」ということで三冊の本をあげていますが、今から10年前の創刊50年の時には、
どのようなことがなされたのかが気になりました。
  創刊60年記念しての「昔も、今も、そしてこれからも。」という冊子には、
岩波少年文庫の60年」の「2000年」には、次のようにありました。
「創刊50年 ゆったりと読みやすい版型にリニューアル(左右の幅を7ミリ増)、
背表紙はツートンカラーで、ピンク系(小学生〜)、ブルー系(中学生〜)の二種類
を基本とし、シリーズものには特別な色を採用しています。」
 当方が一番なじんだ少年文庫は74年に採用された「ソフトカバー新装版」でありま
すが、これから現在流通しているサイズに変更となったは、2000年でありました。
 この2000年には、「岩波少年文庫の50年」と副題がついた「なつかしい本の記憶」と
いう本が、「少年文庫」の別冊としてでています。このようなものがあるのかと、
昨日は思っていたのですが、本日に部屋の片付けをやっておりましたら、ブックオフ
購入したと思われる「なつかしい本の記憶」がでてきました。105円の値札がついて
いましたが、これを購入してことすら覚えておりませんせんでした。この別冊を
みたら、このブログのための材料がけっこうあるではないですか。

 2000年にかわったのは版型だけではありません。少年文庫のマニフェストといっても
いい「岩波少年文庫発刊に際して」が、「岩波少年文庫創刊50年 新版の発足に際し
て」に置き換わりました。いつまでも戦後ではないということでしょうか。たしかに、
いまから10年前であれば「この文庫が都市はもちろん、農村の隅々にまで普及する日が
来るならば、それは、ただ私たちだけの喜びではないであろう。」という文章のくだり
には、首をかしげることになっていたかと思います。