バトンはつながったか

 夏の家利用者である小さな客人との話であります。直接に顔を合わせる

のは一昨年の10月以来のことで、いつもは画面をとおして話をしていて、

どのくらい大きくなっているのかピンとこないのですが、直接ですと背が

伸びて大きくなっていることを実感することです。

 そのときに客人は得意そうに、最近は字ばかりの本を読んでいるのと言って

持参の子ども向けの小説(肝心のタイトルを失念です。)を見せてくれました。

 そうか学年があがって、このような雰囲気のものを手にするようになったか

ということで、今から四十年も前に買ってあった岩波少年文庫版のドリトル先

生のことを言いましたら、それは学校の先生が話題にして読んでみたいと思って

いたとうれしいことをいうではないか。

 それじゃということで、まずは最初の一冊ということで「アフリカ行き」を

取り出してきて渡しましたところ、興味を持ってくれたようであります。

この岩波少年文庫版は全部そろえたのだけど、あまり読まれなかったものなと

思って話をしましたら、外野席から子どものころに読んでもらったことがあった

と、当方はすっかり忘れている話となりました。

 とりあえず、夏の家を退去するときに、これを持ち帰ってくだされと、ドリトル

先生シリーズの4冊くらいをリュックに押し込んだのでありますが、少年文庫に

親しんでくれるだろうかな。

 まずは少年文庫で読書のバトンをつなげて行きたいものであります。