昨日に買った新刊の文庫本についてであります。文庫の新刊については、
坪内さんによる「文庫本を狙え」というコラムが週刊文春でずっと連載されて
いまして、当方が購入したものを坪内さんは取り上げているかなと気になった
りであります。小生と坪内さんの関心がかぶるところの本はほぼ間違いなしで
取り上げられ、坪内さんのプロレスものは小生の関心の及ばないところにあり
ました。坪内さんの連載コラムで取り上げたものは、次のこらむでリスト化され
ています。( https://yokoimoppo.hatenadiary.com/ )
そういうことで、昨日に買った三木卓「若き詩人たちの青春」などはコラムで
とりあげられて当然というような一冊でありますが、亡くなった時点では見本も
なかったと思うので、これについての文章は残されていないでしょうね。
そんなことを思いながら、昨日は購入することになったのであります。
買うことになった決めてはというと、そのタイトルにありでしょう。
三木さんには、このようなタイトルの本があったのかと思って、中をのぞいて
みますと、文庫化にあたって改題したとのことです。元のタイトルなどはあとで
ふれるとして、タイトルに「若き詩人たち」が入っているではないですか。
「若い」と「詩人」というのは、惹かれることばでありまして、しかもこの二つ
が入っている本を、当方は若い頃に読んで楽しんだのであります。
今回の河出文庫に入るにあたって、先行の二作品が頭にあったものと思わ
れます。どちらも傑作ですから、そのタイトルの延長線上にあるような書名にすると
いうことは、その名に恥じないものであるということでしょう。
ということで、タイトルというのは大事でありますね。ちなみに岩波から2002年
に刊行になったときの書名は「わが青春の詩人たち」だそうで、この本は、まったく
記憶に残っていません。
文庫化にあたって三木卓さんは『2019年12月10日」という日付のはいった
あとがきを書いていまして、そこには書名変更への言及はないのですが、この文庫
で増補された詩人がいると記されていました。
編集部は、最後のページで次のようにコメントしています。
「文庫化にあたり、あらたに書き下ろし『劇作家になかたかった加瀬昌男』『川崎
洋の上質なユーモア』『山形が生んだ詩人、吉野弘』を加えました。」
三木さんのあとがきには、「トンマなことで書きおとすことになってしまった人々」
のことを増補とありますので、川崎洋さんとか、吉野弘さんについてはトンマの部類
でしょうか。
それじゃ加瀬昌男さんについてはということになるのですが、当方が購入を決め
た次の理由が、この加瀬昌男さんが取り上げられているからでありました。
加瀬昌男さんといえば草思社となります。
vzf12576.hatenablog.com これまでほとんど三木卓さんのものは読んだことがないようです。このブログ
で三木さんの名前を検索してみましたら、これまで一度も言及していないことが
わかりました。こうして、河出文庫が改題して刊行してくれたことにより、三木さん
の本に手が伸びることになりです。
それ以上に不思議と思うのは、これに収録の文章のほとんどが岩波「図書」
に連載されていたことでありまして、小生はもう何十年も「図書」を購読してい
まして、この内容であれば読んでいないはずはないと思うのに、まったく記憶に
残っていないのですね。篠田一士、菅原克己、岩田宏などが取り上げれていた
はずなのに。まったくどうしてなのでしょう。