ブッキュシュな映画ファン 2

    昨日に引き続きで高崎俊夫さんの「祝祭の日々」から話題をいただきで

す。

 基本は映画に関する本なのですが、編集者高崎さんの「放浪記」の趣も

ありまして、映画をそれほど見ることのない当方は編集者時代のエピソード

を面白がって読んでおります。

 本日に目にしたところで喜んだ話題であります。高崎さんが大きな影響を

受けた文学者に花田清輝さんがいて、花田さんにつながる思い出でもあり

ます。

「私が桂ゆきという画家を知ったのは、花田清輝の著作を通じてである。

1970年代の半ば頃、私は当時亡くなったばかりの花田清輝の魅力に憑り

つかれ、古本屋で見つけては片っぱしから花田の本を購入していた。なか

でも『さちゅりこん』『冒険と日和見』「乱世今昔談』・・・は桂ゆきの装幀・

挿絵で、その大胆不敵な奇想とユーモアに満ちた作品は、強烈な印象を与

えた。」

 高崎さんは1954年生まれでありますので、70年代半ばというのは20歳

になったころでありましょうか。そのころには、すでに編集者になっていたの

かもしれませんが、1986年に在籍した雑誌で桂ゆきさんの自伝的な回想

を連載することになり、それの担当をして月に一度桂さんのアトリエへと伺

うのが楽しみであったとあります。

 このようにあったのですが、当方の本題は、桂さんの連載を掲載した雑誌

のことであります。

「1986年、私は『月刊イメージフォーラム』の編集部を辞めた後に、『一枚の

繪』という美術雑誌の編集部に数年間勤めていた。

話の特集』の大スポンサーでもあった竹田厳道というカリスマ的で超ワン

マンな会長が君臨するかなり特異な会社であったが、この雑誌で、桂ゆき

さんの自伝的な回想を連載することになり、私が担当することになった。」

 びっくりしたのは、「一枚の繪」竹田厳道さんが「話の特集」の大スポン

サーとあることです。その昔は、総会屋がスポンサーの左翼雑誌なんて

のもあったのですが、「話の特集」ということは矢崎泰久さんの資金源の

一人が竹田厳道さんであったとは、知らなかったことです。

 これまた、今から十年ちょっと前に、竹田厳道さんのことを話題にして

いたのですが、こうしたメモを残しておいてよかったことと思うこと。

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