箸休めのはずが

 ちょっと気分を変えて、ついでにページを稼ぐことができないかと、すこし

よこしまな気持ちで手にした角川文庫版「黒死館殺人事件」でありますが、こ

れがけっこう苦戦するのですね。これだけ文字が大きくて、読みやすくみえる

のに、どうしてこんなに勢いがつかないのかな。

 それにしても、この時代にこのような小説を受け入れた読者さんというのは、

すごくレベルが高いなと驚くことです。

この作品を読むのは、これが最後の機会になるかもなので、なんとか時間をかけ

てでも最後までいかなくてはです。近々に列車で移動の機会がありますので、

その時の持参本にしましょうかなです。

 それじゃ、今の状況で読むことが出来そうなものはなにかでありまして、

次に手にしたのは絲山秋子さんの「夢も見ずに眠った。」の河出文庫版であり

ます。

 帯には札幌に単身赴任した女性の名前がありで、札幌というだけで興味がわ

くことになりです。とはいっても最初の章は、舞台は旅先の岡山で、そこから

札幌にとんでいきます。岡山のところでは、路線電車の走る街富山への思いが

語られるのですが、これが後年の絲山さんの「逃亡くそたわけ」の続編につな

がっていくのだなと感じることにです。

 ところで、札幌の街の具体的なことは、どのあたりまでいったらでてくるの

でありましょう。札幌も路面電車が走っているのだけどもな。