まったくうかつなことで

 先日に読んだもののなかに橋本治さんのコラム「小林信彦はどうして難解か」

に言及しているものがありました。これは河出文庫に収録されているともあって、

この文庫は持っているぞと思ったのですが、この文章をどこで読んだのか思い

だせずであります。

 まったくもうと思って、7月の初めころに手にしたPR誌などをチェックしてみ

ましたら、新潮「波」7月号 北村薫さんの「本の小説」にありました。

ごていねいに、当方はそのことを6月30日に記しているのですから、当方のもの

忘れが進んでいるので、このブログは自分にとって意味があるということを痛感

することであります。

 この「小林信彦はどうして難解か」が収録されている河出文庫はめでたく物置

からとりだしてくることができました。 

  元版は1985年の冬樹社からでた書下ろしコラムとあります。当方は1991年に

文庫になって買いました。とはいってもほとんど読むことはなしで、河出文庫

コラム集は何冊か買って積んでおりました。

 橋本治さんが東京大学在学中に学園祭のポスターを手掛けたことで名前が知ら

れるようになり、その後「桃尻娘」という小説を発表し、それは日活で映画にも

なりました。

 これが当方の橋本さんのイメージでサブカルのライター・小説家というのが

立ち位置でありました。そのあとには編み物の本なども出しましたから、とにか

く器用な人だなと思いました。

 橋本さんのファンでありましたのは、当方の4歳下の弟でありまして、かれは

高校時代にドロップアウトをするという親からしますと、ちょっと困った子で

ありましたが、彼から橋本さんの「桃尻娘」以降のものを勧められました。

それにしても、橋本さんが後年になって、このような評価を受ける人になると

は、1991年頃には思わなかったことです。