今から三ヶ月ほど前に、「明日の友」239号に掲載の徳永進さんと藤原
辰史さんの対談を話題にしておりました。
vzf12576.hatenablog.com この対談で、当方は藤原さんのことがやっと知ることになったのであります
が、昨日に届いた岩波「図書」7月号には、この対談を受けて藤原さんが「臨床
医・徳永進の言葉と実践」という文章を寄せています。
書き出しのところだけを引用です。
「鳥取市にある野の花診療所。ホスピスケアの病院である。厳しい病気に冒され
た人たちがベッドで横になり、おだやかに、ゆるやかに、痛みをこなしつつ、次の
世への旅への支度を始める場所である。」
ホスピスの病院なんて書いてあるのを見ますと、ずいぶんと大きな建物を想像
してしまいますが、たぶん、今もここは入院病床は19床で運営されている診療所
と思います。(その後に増築されていれば別ですが。)
鳥取赤十字病院に勤務されていた徳永さんが自分のスタイルの診療所を開
設されるというのは、ずいぶんと話題になったように思います。たぶん、徳永さん
の持ち出しで成り立つような診療所ですが、そこでの日々を綴った本が、その後
何冊も刊行されました。
当方は、ミーハーでありましたので、診療所がオープンしてそんなに時間が
たたない2004年3月に訪れて、施設を見学させていただいたことがありまし
た。たしか診療所の看板の文字は、鶴見俊輔さんによるものであったはずです。
そのことも含めてとっても気になる施設であったわけです。
結局のところ、ここに足を運ぶことができたのは、この一回かぎりでありまし
て、最近は徳永さんの書くものをあまり読むことがなくなっていたところに、
藤原さんとの対談でありまして、この「明日の友」の企画はヒットであったの
だなということが、今月の「図書」を読んで見てもわかることであります。