本日に届いた「明日の友」を手にしていて、そうかこの人であったかのと
気がつきました。
目にしていたのは、「言葉がほどけるとき」という対談で鳥取で野の花
診療所をなさっている徳永進さんと、農業史・食の思想史研究の藤原辰史
さんのものであります。
そういえば、昨年末に読売新聞読書欄で、書評委員がすすめる今年の
本というのを見て、「ニュルンベルク合流」を読むことになったのですが、その
委員さんが藤原さんではなかったろうか。
藤原さんの紹介には著書も掲載されていたのですが、そこには「ナチスの
キッチン」という本があがっていて、いかにもであります。そうであるかと、掲載
されていた昨年12月23日の読書欄で確認をするのでありました。これまで
何ヶ月も、藤原さんの存在に注目していなかったのが、恥ずかしいことであり
ます。
まさか、拙ブログのどこかで藤原さんに言及していないかと思って検索を
してみましたら、「ちくま」で「家の歴史を書く」を紹介した文章で話題として
いました。うーむつっこみが足りないことです。
「明日の友」の対談では、親子ほども年の離れた徳永さんにいきなり「あな
たは、反体制だな」とつっこまれながらも、それをくぐり抜けて徳永さんの懐に
飛び込もうとしています。この対談にあった藤原さんの発言を引用です。
「やはり人間にとって、食べる、しかも人と食べることが、人間っぽさの終着点
だと思うんです。それが今、本当に弱りきってきている。だから、家族とでなく
ても、気持ちが通わなくてもいいから、人と食べるという場所を確保しておか
ないと、食べものを通じて、本当に人間の原始的な部分が消えてしまう気が
して。」
徳永さんは、これを聞いて「絶滅危惧種的な考え方やね」というのですが、
藤原さんは「最高のほめ言葉だな」と喜んでいます。「絶滅危惧種」になる
ことを恐れるなでありますね。
一番手に取りやすそうな藤原辰史さんの著作というと、次のものであります
ね。これは見てみなくてはいけないこと。