この人であったか

 本日に届いた「明日の友」を手にしていて、そうかこの人であったかのと

気がつきました。

明日の友 239号 春 2019年 05月号 [雑誌]

明日の友 239号 春 2019年 05月号 [雑誌]

 

  目にしていたのは、「言葉がほどけるとき」という対談で鳥取で野の花

診療所をなさっている徳永進さんと、農業史・食の思想史研究の藤原辰史

さんのものであります。

 そういえば、昨年末に読売新聞読書欄で、書評委員がすすめる今年の

本というのを見て、「ニュルンベルク合流」を読むことになったのですが、その

委員さんが藤原さんではなかったろうか。

 藤原さんの紹介には著書も掲載されていたのですが、そこには「ナチス

キッチン」という本があがっていて、いかにもであります。そうであるかと、掲載

されていた昨年12月23日の読書欄で確認をするのでありました。これまで

何ヶ月も、藤原さんの存在に注目していなかったのが、恥ずかしいことであり

ます。

 まさか、拙ブログのどこかで藤原さんに言及していないかと思って検索を

してみましたら、「ちくま」で「家の歴史を書く」を紹介した文章で話題として

いました。うーむつっこみが足りないことです。

 「明日の友」の対談では、親子ほども年の離れた徳永さんにいきなり「あな

たは、反体制だな」とつっこまれながらも、それをくぐり抜けて徳永さんの懐に

飛び込もうとしています。この対談にあった藤原さんの発言を引用です。

「やはり人間にとって、食べる、しかも人と食べることが、人間っぽさの終着点

だと思うんです。それが今、本当に弱りきってきている。だから、家族とでなく

ても、気持ちが通わなくてもいいから、人と食べるという場所を確保しておか

ないと、食べものを通じて、本当に人間の原始的な部分が消えてしまう気が

して。」

 徳永さんは、これを聞いて「絶滅危惧種的な考え方やね」というのですが、

藤原さんは「最高のほめ言葉だな」と喜んでいます。「絶滅危惧種」になる

ことを恐れるなでありますね。

 一番手に取りやすそうな藤原辰史さんの著作というと、次のものであります

ね。これは見てみなくてはいけないこと。

給食の歴史 (岩波新書)

給食の歴史 (岩波新書)