図書館で手にした本

 本日は時間待ちがありましたので、まずは図書館へといって、開架の本を眺めており
ました。新刊のところには、特にこれはというものがなく、エッセイのところにあった
梁石日さんの「魂の流れゆく果て」をしばし手にしておりました。

魂の流れゆく果て (光文社文庫)

魂の流れゆく果て (光文社文庫)

 図書館でありますので、光文社文庫ではなく、元版のほうであります。
 梁石日さんのものは、「終わりなき始まり」くらいしか読んでいないのでありますが、
最近になって金時鐘さんの本を手にしますと、梁石日さんがよく登場するようです。
ごく最近にでた金時鐘さんの対談集には、次のようにありです。 金時鐘さんの発言から引用です。
「彼の読書量は並大抵でなかった。・・ 彼は出会ったころまだ高校生でした。彼には
頭が上がらんことがありましてね。彼はよくも急性アルコール中毒で死ななかったと
思う。あいつ、死ぬ目に何回も遭っているのよ。僕がさんざん飲ましてしまって。・・
ぼくは総連から批判をくらって気も狂わんばかりの日々を送っていたさなかで、彼にど
れほど救われたことかわからん。四六時中一緒やった。」
 この対談の相手である佐高さんは、「梁石日さんは金時鐘さんの弟分」といっている
のですから、よほど信頼は厚いのでありましょう。
 「魂の流れゆく果て」は、梁石日さんの自伝的エッセイと縁の土地の写真がセットに
なっていますが、かって猪飼野といわれた町の一角に梁さんがたたずんでいる写真など
は、梁さんの原風景でありますね。
 そういえば、ここ何日かちょっと古い岩波新書を手にしていました。 地名からは消えてしまった猪飼野(橋の名前には残っているとのこと)ですが、大阪
の韓国、朝鮮系の方と話をしていましたら、朝鮮市場(御幸森商店街)へと買い物に
行くときは、猪飼野へといくと言ってましたです。たまたまこの方だけなのか、それと
も広く言われているのか、それはわかっておりません。