いまから四十数年前は、いまほど祝日とか休日は多くなかったですね。
週休2日どころか、土曜日は半日仕事でありまして、そのあとに月に一度の
土曜が休みになる四週五休ということになったのでした。
したがって5月の連休などについても、いまほど休みがつながらずであり
まして、土曜日が仕事であったし、5月4日は祝日に挟まれた普通の日であ
りました。
当方のそろそろ中年に入ろうかという子どもが生まれたのは、5月4日で
ありまして、一日早くても、遅くとも祝日割増の分娩料がかかることから、
家庭の経済状況を理解した親孝行な子どもであることと話をしたことであ
ります。
その5月4日は、当時においては学校では開校記念日だとか、どこかで
休みに行事をした振替にしたりで、休校措置をとられることになったのです
が、いつからか「国民の休日」となりました。それがまたいつからか「みどり
の日」であります。
この流れでいくと、11月3日は「明治の日」でありますし、5月3日は「ゴミ
の日」とでもなるのでしょうか。
休みが続いていて、すこしだらだらとした生活になっていて、これは休み
あけが心配なことであります。そんなことで、ちょっとお勉強の本を読んでみ
ることになりです。
最近は小説家としても知られる岸政彦さんの一般読者むけの専門分野
の啓発書となりです。
「生活史調査とは、人びとの人生のなかに実際に存在する、生きづらさ、しん
どさ、孤独、幸せ、悲しさ、喜び、怒り、不安、希望を聞き取る調査である。
それは調査の現場で聞き取られた語りを通じて、その人びとはどのような
歴史的状況のなかで、どのような社会構造のなかで生きてきたのかを考え
る方法である。」
岸さんの調査の現場は、沖縄となりで、それがために「マンゴーと手榴弾」
という書名になります。このような形は似ているけども、中身はまるで違って
いて、しかも同時に存在するというのが沖縄という場所でありますね。
あちこちに学者というよりも小説家・詩人といいたくなるようなことばが
ちりばめられています。
「語りが生まれる瞬間は、質量や大きさを持たないただの点なのではない。
その瞬間には、重さも、長さもある。生活史の聞き取りには、実は、最初に
発せられるひとことの質問へと至る、ながいながい助走が存在する。
その助走の多くは、きわめて事務的で、日常的な手続きである。」
地域に住むお年寄りに、昔の生活などを聞き取りをするときの参考にな
らないかでありますが、なかなか難しいか。
この本を見て、「社会調査士」という資格認定する団体があることを知り
ました。そんな資格を取得するコースが関西大学にはあるのか。