先日まで笙野頼子さんの「ウラミズモ奴隷選挙」を読んでいたせいも
あって、女性であるというだけで論外という日本のお世継ぎ問題は、21世
紀を生き残れるとはとうてい思えないのでありますが、どういうわけか皇室
話題に関心をもっている女性たちは、あきらめているのか、それとも男性が
継いで当然と思っているのか、いつまでも男尊女卑を続けるのかという
ような声があがってこないのですね。
それどころか、さきの皇后はすばらしい人であったとそのあり方を讃える
のでありました。
新聞などではこのままでは天皇制は維持できないといっていたりして、
そのことから女性天皇にとの記事も目にするようになっています。
このあたりについて、辛口の女性作家などはどのような発言するかと思う
のですが、なかなか目にする機会がありません。
昨日の新聞には、金井美恵子さんの寄稿がありましたが、それは「令和に
寄せて」となっていて、ここでは日本を代表する現代詩人のお二人が、先の
皇后へのオマージュを発表しているのを目にして、「美智子皇后というのは、
詩人の言語的批評意識をこえた存在なのだろう」と記しています。
この詩人たちの皇后へのオマージュに金井さんは違和感を抱いていると
思われますが、それは女性はこうあるべきだという性による役割の固定への
異議申し立てではないのかな。