「ウラミズモ」は、笙野頼子さんの小説の中にある国であります。
図書館から借りてきた「ウラミズモ奴隷選挙」を読んでいるのですが、思っ
た以上に読みにくいことで、なかなかすーっと読み進みません。
数日前に統一地方選挙の投票がありましたので、そんなことで、「奴隷選挙」
とはなんぞやと思って、ページをめくっているところです。
「奴隷」とは笙野さんの書くところでは、にっほん国のほとんどの国民は奴隷
となる運命なのだそうです。
「にっほんの人口の七十五パーセント、奴隷になった理由は、女に生まれた
から正社員になれず、家事奴隷、メイ奴隷、その他はいわゆる住宅や奨学金
だのの債務奴隷、また、時には脅迫で判子を突かされているだけで、お金は
借りていない真性奴隷、・・・というか、人喰い条約下、普通にしていても、国民
の九十九パーセントは最終的に奴隷になる運命であった。」
こりゃまた「にっほん」という国はひどいところであって、それにブチ切れた
一部の国民それも女性だけが独立を目指して女人国を建国したのが」
「ウラミズモ」となりです。
「国民は移民。ほぼ全員女、そして女こそが人間。その建国は二十一世紀初頭
旧茨城。
但し、当時は規模もコロニー程度で知られていなかった。そこはいきなり原発
を受け入れると宣言して、一県を占領し、独立を可能にしてしまったという、酷い
建国であった。しかし実際にはそんなもの受け入れてなかったのだ。なので実は
文字が違う。原発の原の字が変わっているのである。日ではなく、目の形という。」
なんともはや荒唐無稽なことであります。
これはディストピア小説なのか、それともユートピア小説なのかであります。
「ウラミズモ」はにっほん国では、茨城と呼ばれていたようですが、それでは、北と
南の国はどうなったと思ったら、次のようにありです。
「今では関東一円の経済特区がウラミズモの占領下になっているのだった。
しかしこうなるとさすがに男性すべて追い出すのは無理で、結局は女尊国家の、
段階的支配で収めるようになった。そんな中北海道と琉球は独立した。しかし
九州と山口県はその男尊女卑的体質が災いして、未だににっほん国支配下に
留まっていた。」
そうか北海道はにっほん国から独立したかと、これを見てすこし安心ですが、
昨日の選挙で、北海道独立宣言を売り文句にした知事候補は、一敗地にまみ
れたことであります。これは五稜郭にたてこもるしかないかな。