亡くなったのか

 いまほどネットニュースを見ていたら、橋本治さんが本日亡くなったとあり

ました。

 先日に「ちくま」2月号が届いて、それの巻頭に連載されている橋本さんの

コラムを読もうと思ったら、お休みとなっていました。

 「ちくま」2月号の「編集室から」には、「橋本治さんの連載『遠い地平、低い

視点』は著者都合により休載します。」とありました。

 「ちくま」12月号の「遠い地平、低い視点」で、橋本さんは「おかげさまで、

入院から四ヶ月たった十月二十六日、私は退院しました。もちろん、退院した

からといって完全な健康体になったというわけではありませんが、退院した

以上あまり病人面もしていられません。」と書き出していました。

 この連載の最後となったのは、今年の1月号でありまして、そこでは「観光客

が嫌いだ」というタイトルで「何も知らずに物欲しげな顔をしてうろうろノタノタ

と歩いている外国人観光客が嫌いなのだ。私はバカが嫌いだから、うろうろ

モタモタとしている日本人観光客も嫌いだ。『東京オリンピックになったら、そう

いう観光客に東京の街は占拠されるんだろうな』と思うから、東京オリンピック

もいやだ。」と書いています。

 文字通りに受け取っていいのかどうかも含めて、ユニークな方ではありまし

たが、まだまだ若い70歳、これは残念なことです。

 ちくま新書2月の新刊に、橋本さんが亡くなるまで書いていた「遠い地平、

低い視点」が一冊になると案内がありました。「ちくま」での紹介には、次の

ようにあり。

「『あんな時代もあったね』とでは済まされないここ数年の怒涛の展開。日本も

世界も『思いつきで』進んではいないか? アナ雪からトランプまで縦横無尽

の時評集。」

 この新書は来週に刊行予定ですから、橋本さんの病床に届けることができ

なかったかもしれないことで。ご冥福を祈ります。

思いつきで世界は進む: 「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと (ちくま新書 (1384))