「ちくま」6月号から

 当方が購読している出版社のPR誌では「ちくま」が一番早く、前月の25日頃

には届くことになります。

 この「ちくま」を手にして金井美恵子さんの「重箱のすみから」に目を通すこ

とになりです。「墓場とゆりかご」というタイトルで、今回は2回目であるよう

ですが、前回にはどのようなことが書かれていたのでしょう。

 なんといっても隔月での連載でありまして、ただでもすんなりと頭にはいって

こない金井さんの文章でありますからして、それが隔月ということになると、

前回の文章は、ほとんど覚えていないことです。これなら本になってから読んだ

ほうがいいかなと思うものの、本になったらなったで、ほとんど読めなかったり

するのですから、やはり細切れでも「ちくま」に掲載の時に読むようしましょう

かなです。

 今月の金井さん、「『遺稿』と『絶筆』はどう違うのだろうか。」と書き出し

ています。そのような疑問をもたれたのは、文芸誌「新潮」と「文藝春秋」

どちらも4月号に石原慎太郎の「遺稿」と「絶筆」が掲載されていたからです。

 まあそれは金井さんにとって枕でしかなくて、早い話が石原慎太郎という作家

のことが嫌いだし、たいした作家ではないぞということをいうために、遠回り

しながらわかりにくく、書くのでありますね。

 石原慎太郎の小説作品をほとんど読んだこともない当方は、作家としての評価

は出来ないのですが、人間としては好きになることができないことです。

 もう一つ、「ちくま」6月号には玉川奈々福さんが都築響一さんの元・編集者

よりということで、玉川さんが筑摩書房編集者時代の思い出を書いています。

玉川さんが担当した都築さんの本は、ほとんどちくま文庫にはっていて、先月に

も「圏外編集者」が文庫になりました。

 先日に書店で「圏外編集者」を手にして買おうかどうしようかと迷ったのです

が、今回の奈々福さんの文章を読んでから、また立ち見してみることといたしま

しょう。