本日に野暮用から戻りましたら、「ちくま」8月号が届いていました。
当方が購読している出版社のPR誌では、「ちくま」が一番はやくに届くので
ありますが、以前は25日くらいに届いていたように思います。
それはさて、「ちくま」では頭から女性の書いたものに目が行くことになり
です。
冒頭におかれたのは、金井美恵子さんの「重箱のすみから」11回目ですし、
続いては嵯峨景子さんが書く氷室冴子さんの文庫本「いっぱしの女」について
のものでありました。
嵯峨さんといえば、氷室さんの専門家でありますからね。この文章を読みま
すと「いっぱしの女」を読んでみようかという気になります。
嵯峨さんは「回顧ではなく、きわめて現在形のメッセージを伝える『いっぱし
女』は、氷室冴子に初めてふれる人に最適の入門書である。フェミニズムへの
関心が高まっている今だからこそ、鋭い問題提起にあふれた氷室の言葉を、多く
の人に知ってほしい。」と書いています。
このように記してから、「いっぱしの女」はその昔に「ちくま」に連載され
たものをまとめたものではなかったかと思いました。
このほかには、10年をこえて連載が続いている「世の中ラボ」は斎藤美奈子
さんが健在で、今月は「コロナ小説」を取り上げていて、その最初に金原ひとみ
さんの「アンソーシャルディスタンス」が話題となっています。
そして最後のほうでは、これまでほとんど気にもならなかった最果タヒさんの
エッセイが「AJICOのライブに行った」というもので、つい最近にAJICOを知っ
た当方は、AJICOにぞっこんの最果さんの文章を興味を持ってみることになり
です。
どの女性たちもパワーがあることです。
金井さんなんて、「ところで、コロナ以後の未曾有の状況のなかで、ハイな
調子の言説が目立つ学者、藤原辰史」と書くのでありますから、怖いものなし
でありますね。