紙とネット

 本日に「ちくま」10月号が届きました。

 橋本治さんが亡くなって巻頭のエッセイは姿を消しています。なかなか簡単には

後任はきまらないのでしょう。「ちくま」らしい巻頭エッセイの筆者というのは、どの

ような方が適当なのでしょう。橋本さん、なだいなださん、堀田善衛さんなどが思い

浮かびますが、いまは誰だ。

 「ちくま」は連載物が中心になって、それがまとまったら単行本か新書化すると

いうことになっていて、斎藤美奈子さんの「世の中ラボ」は、すでに114回ですから、

もう10年くらいも連載となっているのですね。

 しかし連載物が多くなりましたら、書き手が固定してしまって、もうちょっとバラ

ものが入ってきてもいいのにと思います。

 というのも筑摩書房は、ネットで展開する「webちくま」というのが充実している

からでありますね。紙媒体の「ちくま」購読には年間千円を負担することになります

が、「webちくま」はもちろん無料で読むことができて、しかも紙の「ちくま」とは

ほとんど内容がかぶらないというすぐれものです。(ちょっとかぶるのは斎藤美奈子

さんの連載ですが、これは「webちくま」では月遅れの掲載となりです。)

 出版社のPRといえば、かっては紙媒体が圧倒的でありましたが、今は紙を廃し

てネットに移行するところもでていますが、紙とネットを併用して、それぞれで別な

コンテンツを展開している筑摩書房の行き方は、どこまで続くのでありましょう。

 筑摩書房10月の新刊案内が、「ちくま」巻末にあるのですが、来月もこれはと

思うものはないやと思っていたら、次の本が気になりました。

 「98歳、石窯じーじのいのちのパン」 竹下晃朗 10月下旬 1600円

 この本の紹介には次のようにありました。

「国産の玄麦を用いて自作の石窯で香り高いパンを焼き上げるには?

98歳の現在もパンを究める竹下さんの、波乱の人生とパン作りの知識と工夫が

ここに。」

 98歳のじーじのつくりパンですか。これは自家製酵母で道産小麦を使った

パン作りをしている当方にとって、先達のような存在でありまして、これはどこか

で見てみるようにいたしましょう。このじーじは、どんな人であるのか、ちょっと検索

をかけてみましたら、京都左京区修学院の人であることがわかりました。

なるほどと納得であります。