言わなきゃいいのに

 本日はお天気がとってもよくて、購入してあった花苗などの植え付けにはもってこ
いでありました。今日やらなくて、いつやるのでして、午前中から庭でせっせと
ショベルで穴をあけては花苗を植えていきました。5時間ほどかけて草取りほかも
終了で、あとは花が咲くのを楽しみに待つだけです。
 外で作業をしている間に、郵便やさんが「本の雑誌」6月号を届けてくれました。
これはうれしいこと。庭仕事を終えて、自宅にはいってから、早速「本を雑誌」を
手にして、中をのぞくことになりです。
 真っ先に目を通したのは、「坪内祐三さんの読書日記」であります。
今回の坪内さんの書き出しは、そのまま当方もいただきたいものでありました。
次のとおりであります。(一部省略あり。)
「朝、きのう届いた『東京人』の最新号に目を通す。・・・・による林聖子さん(新
宿にある老舗文壇バー『風紋』のママ)の聞き書きの連載が始まったが、・・・・の
デタラメ振りは相変わらずだ。何故なら『風紋』があるのは新宿五丁目なのに何度も
新宿三丁目と書いているからだ。東京に詳しいはずなのに、明治通りをはさんで花園
神社とその向う側の位置関係にまったく無知なわけだ。」
 「・・・・」のところには実名が入っているのですが、これは直接確認されたいで
あります。坪内さんからすれば、こういう凡ミスは許されないのでしょうね。
 こんなことを書かなきゃいいのにと思ったのは、今回の「読書日記」にあった次の
くだりを目(それもすぐ下の段にあり)にしたからであります。
「恵比寿に出て、東京都写真美術館ミュージアムショップで薄い本二冊購入。ちくま
文庫の新刊を買いたかったので、三越を覗くが八重洲ブックセンターどころか本の
コーナーはない。駅ビル五階の有隣堂に向う。恵比寿という尖端的な街にありながら本
屋は一軒だけなのか(この街に長く住んでいた丸谷才一さんが生きていたら嘆くだろ
う)。
 言わなきゃいいのには、「デタラメ振りは相変わらずだ」というところではなく、
「この街に長く住んでいた丸谷才一さん」という括弧内のくだりでありますね。
一部省略してはあるのですが、間違った引用はしていないはずでありまして、これを
読みましたら、あれっと思いますでしょうよ。
 最初にこの文章を読んだ時は、坪内さんは恵比寿の東京都写真美術館をでてから、
ぶらぶらと歩いて目黒駅(アトレ)の有隣堂へといったのかなと思ったのですよ。
目黒駅界隈も、当方が住んでいた30年ほど前には、あと何軒かは本屋があったものな
と思ったのですが、しかし坪内さんが記しているのは、やはり恵比寿の駅ビルのこと
ですよね。
 坪内さんにしては珍しい勘違いで、丸谷才一さんがお住まいであったのは、恵比寿駅
界隈ではなくて、目黒駅界隈であります。住所は目黒三田で、さんま坂近くと、丸谷
さんはいっていますよね。 ( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20150225 )
 こういうケアレスミスは、残念ながら年齢を重ねると良く起こることでありまして、
年寄り笑うな行く道だでありましょうか。
 そういえば、当方が目黒に住んでいたときは、駅ビルにあったのは栄松堂でありまし
て、ここに行きましたら、丸谷才一さんのサイン本(「樹影譚」)が積まれていたりし
て、さすがに丸谷さんの地元の本屋は違うと思ったことです。
 古い話であります。